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12月15日-02号

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  1. 高知県議会 2004-12-15
    12月15日-02号


    取得元: 高知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    平成16年 12月 定例会(第281回)          平成16年12月15日(水曜日) 開議第2日---------------------------------------出席議員       1番  武石利彦君       2番  中西 哲君       3番  西岡仁司君       4番  三石文隆君       5番  森田英二君       6番  山本広明君       7番  森 雅宣君       8番  東川正弘君       9番  溝渕健夫君       10番  元木益樹君       11番  依光隆夫君       12番  土森正典君       13番  西森潮三君       14番  結城健輔君       15番  西岡寅八郎君       16番  浜田英宏君       17番  樋口秀洋君       18番  植田壮一郎君       19番  式地寛肇君       20番  高野光二郎君       21番  黒岩直良君       22番  佐竹紀夫君       23番  中内桂郎君       24番  二神正三君       25番  朝比奈利広君       26番  岡崎俊一君       27番  西森雅和君       28番  黒岩正好君       29番  池脇純一君       30番  坂本茂雄君       31番  浜田嘉彦君       32番  田村輝雄君       33番  江渕征香君       34番  上田周五君       35番  森 祥一君       36番  吉良富彦君       37番  谷本敏明君       38番  米田 稔君       39番  牧 義信君       40番  塚地佐智君       41番  田頭文吾郎君欠席議員       なし---------------------------------------説明のため出席した者  知事       橋本大二郎君  出納長           植田紹春君  職務代理者  総務部長     池本武広君  理事           宮崎利博君  (危機管理担当)  企画振興部長   十河 清君  理事           山本俊二郎君  (政策推進担当)  理事(情報化           田中拓美君  戦略推進担当)  健康福祉部長   吉岡芳子君  文化環境部長   尾崎祐正君  商工労働部長   起塚昌明君  理事           上林 匡君  (産業技術担当)  農林水産部長   星沢昭雄君  理事           山崎隆章君  (競馬担当)  土木部長     見波 潔君  森林局長     村手 聡君  海洋局長     久保田寿一君  港湾空港局長   加藤久晶君  企業局長     嵐  護君  病院局長     田中 譲君  教育委員長    宮地彌典君  教育長      大崎博澄君  人事委員長    上谷定生君  人事委員会           阿部隆志君  事務局長  公安委員長    鈴木朝夫君  警察本部長    黒木慶英君  代表監査委員   奴田原 訂君  監査委員           中岡宏昭君  事務局長---------------------------------------事務局職員出席者  事務局長     恒石好信君  事務局次長    井上 健君  議事課長     鍵山和司君  政務調査課長   竹内豊明君  議事課長補佐   野瀬孝志君  主幹       湯川さほり君  主査       中城知穂君---------------------------------------議事日程(第2号)   平成16年12月15日午後1時開議第1 第1号 平成16年度高知県一般会計補正予算 第2号 平成16年度高知県給与等集中管理特別会計補正予算 第3号 平成16年度高知県電気事業会計補正予算 第4号 平成16年度高知県工業用水道事業会計補正予算 第5号 平成16年度高知県病院事業会計補正予算 第6号 知事等、地方自治法第203条に規定する者及び職員の給料等の特例に関する条例議案 第7号 高知県立池公園の設置及び管理に関する条例議案 第8号 高知県行政手続等における情報通信の技術の利用に関する条例議案 第9号 高知県福祉保健所の設置等に関する条例議案 第10号 労働組合法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例議案 第11号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例議案 第12号 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例議案 第13号 県税事務所設置条例の一部を改正する条例議案 第14号 高知県税条例の一部を改正する条例議案 第15号 高知県の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例議案 第16号 高知県立都市公園条例の一部を改正する条例議案 第17号 高知県港湾施設管理条例の一部を改正する条例議案 第18号 高知県が当事者である訴えの提起に関する議案 第19号 平成17年度当せん金付証票の発売総額に関する議案 第20号 公平委員会の事務の受託の廃止に関する議案 第21号 公平委員会の事務の受託の廃止に関する議案 第22号 住民訴訟に係る弁護士報酬の負担に関する議案 第23号 高知県・高知市病院企業団規約に関する議案 報第1号 平成16年度高知県一般会計補正予算専決処分報告 諮第1号 滞納処分に対する審査請求に関する諮問第2 一般質問   (2人)---------------------------------------   午後1時1分開議 ○議長(森雅宣君) これより本日の会議を開きます。--------------------------------------- △諸般の報告 ○議長(森雅宣君) 御報告いたします。 第6号議案、第9号議案、第11号議案及び第12号議案については、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、人事委員会に意見を求めてありましたところ、第6号議案については教育長に対する措置は異議がない旨、職員の給与については、今回の措置は遺憾であるが、本県が厳しい財政状況に置かれていることなど諸般の事情を考慮するとやむを得ない旨、また、第9号議案、第11号議案及び第12号議案については適当である旨の回答書が提出をされました。 その写しをお手元にお配りいたしてありますので、御了承願います。   [人事委員会回答書 巻末231ページに掲載]--------------------------------------- △質疑並びに一般質問 ○議長(森雅宣君) これより日程に入ります。 日程第1、第1号「平成16年度高知県一般会計補正予算」から第23号「高知県・高知市病院企業団規約に関する議案」まで、報第1号「平成16年度高知県一般会計補正予算専決処分報告」及び諮第1号「滞納処分に対する審査請求に関する諮問」、以上25件の議案を一括議題とし、これより議案に対する質疑並びに日程第2、一般質問をあわせて行います。 通告がありますので、順次発言を許します。 5番森田英二君。   (5番森田英二君登壇) ◆5番(森田英二君) お許しをいただきましたので、知事御当選後の初めての議会で、自民党を代表いたしまして質問をさせていただきます。 その前に、橋本知事に対しまして、まず御当選のお祝いを心より申し上げます。おめでとうございます。県民の幸せのために、そして県勢浮揚のために、協力すべきは相協力をし、それぞれの立場から力を尽くすことを改めて誓い合いたいと思います。 知事は、今回の選挙で5度、県民の信任を受けたことになります。このことは、橋本県政13年間の県政上のあらゆる実績や、知事個人の人間性も含めた県民の総合評価ととらえ、その結果には我々も何の異存もありません。しかし、我々が選挙期間中を通じて主張してきた政策や橋本県政に対する評価については一切間違ってはいなかったことを踏まえた上で、今すべてを受け入れることから私たち県議会自由民主党会派としましても新しい県政のスタートにしたいと思うのであります。そして、これからの3年間を知事と議会、執行部、県民が協力し合って新しい高知県をつくり始める時期と位置づけ、気持ちを白紙にしてすべてにプラス志向で参りたいとの判断に立っておりますが、この再出発に際して、いま一度おさらいの意味で腹蔵のない意見を言わせていただき、そして知事からも率直な考えを示していただいて、互いが真摯に出発する機会にしてみたいと思います。 そこで、まず今回の選挙に至ったいきさつからお聞きをしたいと思います。さて、知事が去る10月8日に突然辞任されましたが、そこに至った直接の理由は100条委員会で指摘された平成3年の選挙資金疑惑だと考えられます。今回の選挙の大きな争点の一つには、この疑惑を県民がどう受けとめているかを問うことにありました。その判断材料として、100条委員会の報告書や知事が公表した説明文書なるものがあるわけですが、その知事の示した説明文書というのは、13年間の知事の手柄話と、今回の事件の当時と今の背景を説明することに終始していたように思われます。それも、みずからに都合のいいことばかりを羅列したものであったように思わざるを得ず、疑惑について到底県民に納得のいく説明がなされた調査報告とは言いがたいものでありました。 一方で、その都合の悪い部分をできるだけ隠したと思われる説明文書の中にあっても、疑惑解明の大きな手がかりが含まれていたように思います。例えば、仮領収書1,500万円、上記の金額を正に領収しました、平成3年11月22日と裏書きされた名刺を含む1,200人分もの名刺ホルダーの存在、またパチンコ業者から5,000万円もの貸与の話があったなどという新事実のことであります。知事は、私たちが1年間も費やした調査期間には何らの調査協力や資料提出なども申し出ず、その姿勢一つをとっても、いまだ不信感はぬぐい切れません。 このように、疑惑の核心を説明しないまま知事自身が県民に信を問うとした今回の選挙結果をもって、平成3年当時の選挙資金疑惑はすべて払拭され県民の信頼を得たと知事は考えておられるのか、まずこのことについてお伺いをいたしておきます。 また、一連の疑惑について知事自身が使われた、原罪は残るとの言葉につきましても、もう少し詳しい説明をいただきたいし、その原罪についての償い方や反省についてどう考えておられるのかもあわせて伺っておきます。 次は、知事の議会との関係における政治手法についてであります。知事は、辞職当時、議会との対話が不足していたとの反省を語っておられましたし、今回当選された後は、議会との意思の疎通に今まで以上に配慮する旨の発言もされておられます。現に、その意思を早速実行されるかのように、本当に久しぶりに議会にもみずから足を運ばれ、選挙後のごあいさつをいただきました。今後、互いに隠し事のない真摯に向き合う関係を知事みずからがつくり出そうとしているその行動に、率直に言って今までにはなかった好感と新鮮さを感じた次第であります。私たちは知事との関係をもともと否定的に考えてきたものでもなく、政策的には県民の幸せを尺度として常に是々非々の立場を貫いてきたものであります。また、今後の姿勢にしても、このことは議会人として当然のことであります。 さて、そこで知事の議会に対する姿勢でありますが、日本は現在、議会制民主主義という制度に立っています。議会は県民の民意を反映し、知事のすぐそばに常に控えています。その議をもって知事は今回辞任をされたのに、改めて直接県民に信を問うとして再出馬されたことには、いま一つ首をかしげざるを得ません。国会議員は、辞職勧告決議などによりみずから辞任した場合には補欠選挙に再出馬できないと、公職選挙法で規定されています。知事を含め首長にそうした規定がないのは、良識人たる首長が、まさか一度罷免された後、再出馬はしないだろうとの観点で無規定であるのだと、先日ある大学の教授が話されておりました。 そこでお聞きをするわけですが、知事は議会の決定の重みと県民の判断をどう峻別されておられるのか。議会制民主主義のルールをどう御認識されておられるのか、そして議会そのものの位置づけをどう考えておられるのかについて、この際伺っておきたいと思います。 また、議会との意思の疎通を今後は精力的にやりたいとのことでしたが、具体的にはどのような方法や手段を考えておられるかについても、あわせて伺っておきます。 また、議会との具体的な交流について知事は、知事支援議員を介してと話されていますが、その意図は一体何なのか。今後みずからが本気で議会との融和を図られるおつもりはないのか、その真意についてお伺いをいたしておきます。 次は、今回の相手候補でありました松尾氏が得た信任票のことについてであります。知事の得票が22万票余りだったのに対し、約3万票差の19万票余りの票を得ています。知事は、松尾氏のこの知事に拮抗した信任票についてどのような重みを感じ、その信任票をどう生かそうと考えておられるのかについて、まず伺っておきます。 そして、知事は選挙前に、辞任に至った理由の一つとして、残された任期を自信を持って遂行するためにここで改めて県民の信を問いたいと言っておられましたが、前回よりは票を減らしました。知事の言う自信とは、票の多さではなく、対立候補に勝てばという意味だったのでしょうか、真意をお聞かせいただきたいと思います。 そして次は、次点の松尾氏が政治姿勢の柱として掲げていた、ぬくもりのある県政についてであります。知事は、松尾氏のぬくもりのある県政という表現を昔のしがらみに戻る県政と切り返していたように思いますが、庁内や議会対応をもっと協調性のある、ぬくもりの感じられるものにするおつもりはないのか、お伺いをしておきます。 同じ構図での2回もの選挙で県民の民意がほぼ真っ二つに割れ、その溝もかなり深くなったのではないかと危惧するわけですが、知事はこうした二分されたと思われる県民同士の心の溝をどのような手だてで修復されるのか、あるいはされないのか、お伺いをしておきます。 また、今回の選挙の争点ともなった、政治に携わる人の永遠のテーマである政治と金についてであります。今回の選挙で、知事は辞任の背景となった1億円の疑惑をはぐらかして勝ったという県民の声も多く聞かれますし、知事自身の口からも、県民の不信はすぐには払拭されないと思うとも話されております。知事は、いまだ県民や議会の一部に残っているこうした不信感についてどのような対応を今後とられるのか、あわせて伺っておきます。 次は、多選についてお伺いをいたします。現在、首長の多選禁止のための法制化も検討されているようですが、知事はみずからの5選を多選と見られるのかも含めて、多選についての御認識をまず伺っておきます。 市長経験を持つある大学教授は、改革と多選は矛盾すると言っています。知事は本県に最初から改革姿勢で臨まれましたが、13年たった今、改革の程度は目標の何合目までたどり着いたとお思いでしょうか、そしてあと何年やれば知事の理想とする県政に到達できると考えておいでなのか。 また、その達成に向けリーダーとしての意欲は次期のことも照準にあるのかも含めて、知事の御見解をお伺いいたします。 次は、知事の責任のとり方についてであります。今すべてを一新してスタートを切ろうとするときだからこそ、一言触れておきたいと思います。知事は今までにも、知らなかった、聞いていない、調べるつもりはないなど、説明や責任のとり方について余り納得のいく対応をとってこられませんでした。 今後の対応として、公私を含めた知事の自己責任や責任のとり方に対する基本的な考え方について伺っておきます。 次は、知事のパフォーマンスと県勢浮揚効果についてお聞きをいたします。知事は、今回の選挙戦の中でも、地方から中央に、あるいは、国に物申すのだとしきりに言っておられましたし、現に、私が勝つことが地方を守ることにつながると言い切りました。今回の三位一体の改革に際しても、知事はよく地方の代表ということを強調されましたが、橋本知事は、まずは高知県の代表なんです。三位一体の改革で一番ダメージを受けるのは、地方全般ではなく、47都道府県の中で高知県が最も大きな波を受ける県なんです。知事には、まずは高知県の代表だということをもっと強く自覚してほしいと思うんです。知事ひとりの知名度や評価が上がっても、高知県民の評価や県民の暮らしの底上げになるとは思えません。もっと県民の生活を日ごろよりじっくり見て歩いて、老人県の実態や、農家や漁家の生活の実態を知る努力もされるべきだと思います。 もっと県内に密着した知事活動に徹されるということについてどう考えておられるのか、お聞きをしておきます。 次は、本県の中長期ビジョンについてであります。知事は、本県を全国でただ1県、知事の任期期間中から具体的な将来像を持たない県にしてしまいました。以前、私が本会議でこの点をお伺いしたときには、財源見通しが立たない中での県計画には意味がない、本県の展望は私の選挙公約だとおっしゃいました。しかし、県政の方向というのは、選挙公約ではなく、県政のトップになったその時点で改めて作成し、責任を持ってすべての県民に示すべきものだと思います。現在は各部局が、その部局ごとに知事の選挙公約を踏まえた政策や方向性を定めているとは聞いていますが、私は、県が目指す明確な形があった上で、各部局でそれに向けた具体策を講ずるべきだと思うんです。県民に一度、具体的な夢や目標を示すことの方が、知事の言う住民力をうまく活用することにもなるし、県民のエネルギーをもっと効率的に誘導できるのではないかと思うのであります。 知事は、こうした考えに立ち本県の中長期戦略である総合計画を今後も立てるおつもりはないのか、改めてここでお伺いをいたします。 次は、副知事のことでお伺いいたします。今議会の初日に、吉良副知事が体調の不良を理由に辞任をされました。吉良副知事は、御就任以来3年間、中山間地域の村長経験を生かして、地域振興を中心に地域に密着した行政手腕を発揮されてこられました。それだけに、大変残念であります。辞任の理由が健康面でということですので、御回復を祈りながら、この間の実績に対しまして議会からも謝意を表したいと思います。大変お疲れさまでした。 さて、その不在となった副知事ポストのことですが、これで、ことし4月から出納長の空席とあわせて三役ポストのうちの2席が空席という異常事態となったわけです。県政の停滞や遅延も懸念されるわけですが、知事はこの両ポストの充足について今後どのような対応を考えておられるのか、お伺いをいたします。 今、県政には重要な政策課題が山積しています。その空席となった副知事ポストには、外的要因への迅速で適切な対応や、内的には効率的な事務事業対応など、事務方の最高責任者としての敏腕が期待されていると思います。こうした状況を思うと、一刻もおろそかにできない時間が流れているのではないかと思うものです。即戦力の人材が待たれているのではないでしょうか。 知事は、こうした人材をどこから起用されようと考えているのか。また、いつの時点を想定されておられるのか、あわせてお伺いをしておきます。 知事の政治姿勢をお聞きする最後になりますが、議会との良好な関係を考えるとき、重要な政策議案等については、あらかじめ議会に十分な説明や意見交換をすることが大切な要素を占めていると思うんです。 この対話姿勢こそが協調そのものだと思うんですが、今後はこうした対応をどのように考えておられるのか、まずお聞きをしておきます。 私は、こうした政策面の協議にしましても互いの意思の疎通が足りなかったし、それ以前に、日常の交流や対話がなかったことが、今回のように互いが不信感を深めたり、県民からの不信に発展していったとも思うのであります。そこで、まずは互いに対話を深めることが議会と知事とのいい関係の出発点になると確信をするものであります。我々も、知事は県民から改めて信任を受けたとの認識に立っておりますし、知事が議会との新しい関係を模索していることも、ひしひしと感じております。我々、自由民主党会派としても、議会と知事との関係を真に県民本位のものに再構築して、知事の言葉をかりましたら、もう1ランクも2ランクもアップした関係にまで昇華させ、新たな気持ちで県政に取り組む覚悟であります。 最後に知事の方からも、議会と知事のこうした新しい関係についての心構えやお考えをお聞かせいただきたいと思います。 さて、次は平成17年度の予算編成方針についてお伺いをいたします。財政の健全化に向けて、本県も平成10年度から行財政の構造改革の本格的な取り組みを行ってきました。大変厳しいみずからの取り組みにより、平成14年度には一たんは収支が均衡をするところまで持ってきました。ところが、小泉総理の三位一体改革の名のもと急激な国の財政改革方針により、昨年度から本県も大幅な財源不足を来してしまいました。今年度は、236億円という大幅な財源不足額を生じながらも、起債の発行や基金の取り崩し、あるいは事業の徹底的な見直しと執行停止などで、何とか急場をしのいでまいりました。しかし17年度には、まださらなる不足額が予想されており、その推計不足額はことしを上回る248億円にもなることが予想されています。その対策として各部門に大幅なマイナスシーリングをかけていると聞きますが、事業部門でのこれ以上の事業費の圧縮は、そのまま県民生活のサービスの切り捨てに直結します。 109億円という一度きりの基金残高があるとはいえ、248億円もの財源不足をどのように乗り切る算段をされているのか、その方法、方針について総務部長からお聞かせ願いたいと思います。 そして、続く18年、19年度にもさらなる交付税の減額が想定されています。基金も底をついた後のこうした今後の恒常的な、それも多額の財源不足に、これからの対応をどう考えておられるのか、総務部長にお伺いをいたします。 最後は、こうした厳しい厳しいといって事業の縮小や切り捨てというサービスの低下ばかりでは、県民は夢も希望もうせ、もっと言えば現実の生活さえもが失われようとしています。知事は、このように何もかもが冷え込んでいく今、今後、何をポイントに、県民にどんな幸せを与えようと、県政を考えておられるのか、この際お聞かせいただきたいと思います。 次は、三位一体の改革についてお伺いをいたします。去る11月26日に、いわゆる三位一体の改革につきまして政府・与党の合意に基づく全体像が示されました。それに対し、全国知事会全国都道府県議会議長会などの地方6団体も、これを受けとめる意思を表明しております。しかし、その合意案につきましては、政府の取りまとめ努力は評価するとの声がある一方で、多くの地方関係者の間では、中央省庁の激しい抵抗に妥協した産物でしかないとの受けとめ方をしている方も多いようです。その理由として、国が地方をコントロールし続けたい気持ちや、自分たちの既得権益を守りたいとする姿勢がありありとまだ残っており、本当の意味での地方分権を進めるとする三位一体改革の本旨から大きく外れてきたのではないか、そして問題をただ先送りにしようとしているようにしか感じられないからであります。 しかし、本県では、今回こうした改革案の全体像がまとまっていきました大切な時期に、知事選挙が行われておりました。橋本知事も、選挙期間中にこの三位一体改革の行方を大変気にされておられたと思いますが、まずこの今回示されました政府・与党の全体像に対します知事の御見解をお聞きしておきたいと思います。 さて、知事はこうした大変緊迫した重要なときに、昨日東京で開かれた全国知事会議に出席をされてこられました。その昨日の会議の内容のあらましはどんなものだったのか、これから地方がこの激烈な三位一体改革にどう対応するのかを決める大変重要な会議だっただろうと推測をいたします。知事の積極的な発言を中心に、概要はけさの新聞で拝見をいたしました。 知事は総務省、総務大臣と主に議論されたようですが、財務省との話も含めてどのようなことが主に議論をされたのか。また、知事はそこでどのような発言をされたのか。まだ十分な整理もされていないとは思いますが、早速お聞かせいただきたいと思います。 また、各知事で三位一体改革に対する評価にも違いがあるのではないかと思うんですが、この際、その評価の分かれ方と、おおむねのグループ分けができれば、それについてもお聞かせいただけたらと思います。 そもそも三位一体の改革とは、地方の権限と責任を大幅に拡大させ、歳入、歳出の両面で自由度を高める、そしてそのことで真に住民に必要な行政サービスを地方の判断で、また、地方みずからの責任で自主的に効率的な事業の選択ができる幅を広げようということであったと思います。そして、その上で国、地方を通じた簡素で効率的な行財政システムを構築することを目的としていたのであります。そのために、国がかかわる補助金をできるだけ縮小してそれに見合う金額を国から地方に税源移譲する、その上で、現在地方の主な財源となっています地方交付税改革もあわせてやっていくというものでありました。しかしながら、本県のように人口が少なく県税などの自主財源も乏しい県では、単に財政の自由度を高めるというだけでは、県民の要望にこたえられる各種の施策や福祉の向上などを図っていくことはとても困難であります。いや、それ以前に、現在のサービス水準さえも維持することが危ういと言わざるを得ません。 たとえ一定の税源移譲がされても、本県のように人口が少なく経済活動も全国最低規模の県では、若干の制度調整がなされるとしましても、削減される補助金に見合う税源が移されるとは到底考えられません。地方交付税を中心に十分な財源保障をしますという確約がなくては、知事の掲げている4つの重点施策であります南海地震対策や台風等の災害対策などといった県民が安心して生活できる県土づくりとか、子供や高齢者、また障害者の皆さんが豊かに安心して暮らせる社会づくりなどを幾ら訴えても、現実の問題として不十分なものにならざるを得ないのであります。本県の主要な財源であります地方交付税交付金につきまして、政府・与党の全体像では、平成17年度、18年度は地域において必要な行政課題に対し適切な財源措置は行うとする一方で、平成17年度以降も地方財政計画の合理化、透明化を一層進めていくとも言っています。 私は、この17年度も地財計画の合理化を一層進めるという文言が、財政の最も厳しい本県にとって、先が見えない大変不安な要素を内在させていると考えています。現に、我が党の役員が急遽、国会議員と同行し、昨日、一昨日と独自に政府に要望活動をしましたけれども、財務省は17年度には1兆円を超す地方交付税の削減をもくろんでいるようでもあります。また、そのために、地方交付税見直しを三位一体改革の本丸と位置づけております財務省は、過疎問題や地理的ハンディなどに苦しむ田舎の町村が、必要に迫られ定住促進や人口増対策、あるいは地域活性化などとしてほかの必要事業を切り込んでまで取り組んでいる結婚・出産祝い金制度や男女交流会の開催経費、あるいはケーブルテレビへの加入料助成制度などを指して単なるむだ遣いと称するキャンペーンを、誇大に、かつ大々的に都会の住民やマスコミに向けて展開しているのであります。このままでは、この改革は高知県のような貧乏な地方のみに一方的に犠牲を強いることになりかねないという大きな危惧を私は持っています。 そこで、もう一度知事にお伺いします。先ほど説明をいただいた全国知事会議の場では、麻生総務大臣ほか総務省のお役人とも意見交換をされたようですが、来年度またはそれ以降の地方交付税についてどのような説明があったのか。また、それについて知事がどんな発言をされたのかも、あわせてお聞かせ願いたいと思います。 三位一体の改革に関します最後の質問になりますが、私は、高知県にとってこの地方交付税の問題は、今後の本県の行方を左右する大変重要な問題と考えております。知事におかれましても、この問題は最重要課題との認識であると思いますが、今後交付税を守るためにどのような行動をとっていかれるおつもりか、その決意をお伺いしたいと思います。 次に、市町村合併に関して幾つかお尋ねをいたします。県内の平成の大合併は、相次ぐ破綻により、必ずしも順調に進んでいるとは言いがたい状況にあります。そうした中で、先ほども申し上げました地方交付税の見直しによりましては、県はもとより県内各市町村も危機的な財政状況に陥り、赤字再建団体への転落が現実味を帯びてくるなど重大な局面を迎えることになってきました。国の交付税の減額の程度にもよりますが、17年度、18年度と県内の大半の市町村で予算が組めない状態、つまり財政破綻を起こす自治体が続出すると市町村振興課では試算をしているのであります。 我が党は、これまでも、財政力の極めて弱い県内の市町村が今後とも安定的な運営を行っていくためには、何としても市町村合併を行うことにより、思い切った経費の節減を図り、同時に、非常に有利な起債であります合併特例債を積極活用した事業展開を図るべきだと主張し続けてまいりました。全国の市町村数は、この平成の大合併で約6割になるとも報道されておりますし、中でも四国の他の3県は市町村数が現在の半分以下になることが予想されております。本県だけが、ひとり取り残されていく感があります。知事はアクセルを踏むと以前おっしゃいましたが、今なお市町村の関係者からは、踏みようが足りないとか、遅過ぎた、よくわからないとの声が上がっております。県内では、一たん合併協議が破綻した地域のうちの幾つかで今なお、将来を憂慮する方々を中心に、現行法の経過措置を活用した合併を何としてでも実現したいと必死の努力がなされております。 財政危機が現実のものとなってきた今、せめてこれから来年の3月までの間、そういった必死の取り組みをしている地域に対して知事ははっきりと合併推進を表明し、また、みずからも直接調整に出かけるなどされて県庁挙げて全力で支援するなど、合併の実現を図っていくことが期限切れを目前にした今こそ必要だと思うのですが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、そうした取り組みを行いましてもなお、県内には単独で行くこととなる市町村が多く出てまいります。これまで知事は、そういった単独自立の市町村に対して、できる限りの支援はするが財政支援は困難であるとの立場を表明されてきました。来年度以降になりますと、せっかくの優遇措置も受けられないわけでありますが、せめて合併によって行政の簡素・効率化や経費節減だけでも行い、生き残りをかけるという視点での合併実現も考えていかなければならないと思うんです。国も、新たな合併特例法では、1万人未満の小規模市町村に合併を促す意味で県が合併構想を立て合併協議会の設置を勧告するなど、今まで以上に県の関与を求めてきております。 国の基本指針は新年度に出ることになろうかと思いますが、私としましては県が一層積極的にあっせん、調整に努めていくべきであると考えます。知事はどのような方針で臨まれるのか、現段階での基本的な考え方をお聞きしたいと思います。 また、来年度以降の合併では国の財政優遇措置が激減しますが、せめて県単独で行っております合併支援、新しいまちづくり支援交付金を継続するお考えはないか。県内の合併の現状を考えますとき、少しでも合併の呼び水となる支援として、県も大変厳しい財政事情のもとではありますが、こうした生きた予算編成は必要ではないかと思いますので、お伺いをしておきます。 次は、産業振興のことでお伺いいたします。今回の知事選挙は、私としても県民の方から広く、そして多くの声を聞くいい機会となりました。その中で、働き盛りの方々に最も多かったのが、景気をもっとよくしてほしい、仕事がほしいということでありましたし、次の知事には産業の活性化にもっと真剣に取り組んでもらいたいということでありました。特に農家や漁業者からは、昔から本県にもともと根づいている産業にも、もっと本腰を入れてほしいとの声が大きかったように思います。私も、本県産業の位置づけの認識として、土佐湾の恵みや山深い森林そして温暖な気候に恵まれ、地勢をうまく生かしてきた、いわゆる地の利を十分に活用してきた1次産業こそが本県の底力になると、常々考えてきました。ところが知事は、今回の選挙公約の中での産業政策の点で、県外から稼ぐことのできる元気な企業をさらに応援するだとか、産学連携による海洋深層水関連や液晶ディスプレーの研究成果をてこに産業の振興を図るのだと言われました。また、先日の提案説明でも、海洋深層水産業や情報通信のコールセンター誘致のことには言及されておりますが、1次産業のことには一言も触れておられません。 確かに、次世代のリーディング企業を本県に育成することに異論はないんですが、古くから本県に根づいてきた農業や漁業といった産業にも、今こそもっと力強いてこ入れが必要なときであります。農業も漁業も、本県の特性を生かしながら多くの人が生活をしている、すそ野の広い産業であると同時に、今もれっきとした本県の基幹産業でもあるんです。さらに、加工工程なども付加すれば、本県の基幹産業としての地位を維持し続ける活路は、まだまだ十分あると私は考えております。 そこで知事に、この1次産業の本県産業における位置づけについて、御認識をまずお伺いしておきます。あわせて、これからの任期3年間をかけて1次産業の振興にどう取り組むのか、その意欲と姿勢についてもお聞かせください。 知事は2年前に、これから5年間かけて取り組む重点施策として、まず第一に産業の振興を上げてこられました。私も、産業を1番に置かれた点には大賛成をしてまいりました。しかし、最近知ったんですが、この産業振興という枠の中に今までの2年間は1次産業は含まれておらず、来年度からの予算編成の中で初めて1次産業がこの重点項目の特別枠として認定され、追加されたと聞きました。 知事がここに来て1次産業を産業振興の枠に取り込んだ経緯や真意は一体何なのかについて、まずお伺いをいたします。 私は、このことから農林水産部や海洋局の産業としての位置づけが知事から改めて見直されたとも受け取れるのですが、どうでしょう。その目で見ますと、先刻示されました17年度の一般会計の見積もり概要では、警察や教委を含めた17部局のうち、農林水産部と海洋局の予算が今回そろって初めて、たった5つの伸び率のプラス組に入ってきております。 このことを農林水産部長と海洋局長はどう受けとめ、どのような展望を持たれたのか、そして重点枠に取り入れられたことで新しい施策や実効ある施策に今後どう取り組んでいかれようとされるのか、それぞれの部局長にお伺いをいたしたいと思います。 そこで、初めに農業のことで2点ほどお伺いいたします。まずは園芸農業の振興の分野についてですが、本県の園芸野菜は、国際的には輸入農産物に、国内では産地間競争に、とにかく生き残りをかけ、しのぎを削っています。競争に勝つために、県は担い手支援やら補助や助成などあらゆる支援制度を講じていますが、要は消費そのものを拡大させるというのも抜本的な解決策の一つだと思うんです。 その点で、特に本県の生産特性とも言える少量多品目の園芸野菜についての消費拡大にどう取り組んでこられたのか、そして今後はどう拡大を図ろうとされているのかについて農林水産部長にお伺いいたします。 そしてもう一点、中山間の農業の将来をどう考えていくのか、お聞きいたします。中山間の基盤整備は、こうした時代でもあり、さらに難しい局面に入ってきました。さらには高齢化や後継者不足という条件も重なり、中山間農業を取り巻く経営環境には現在、明るさは余りありません。 そこで、中山間に適した生産品目の研究など、今後の中山間農業の活性化に向けた取り組みについて農林水産部長にお伺いをいたします。 次は、漁業振興についてお伺いをいたします。昭和59年には海面漁業の生産額が1,000億円を超え、まさに県の基幹産業としての役割を果たし、漁業就業者数も1万2,000人を数えていました。それが、18年後の平成14年度には生産額が525億円、就業者数も5,910人と、それぞれ半減しております。漁業関係者に、今、漁師に何が一番必要か、水産業はどうすれば立ち直れるかと問いかけますと、ほぼ全員から「難しいことはようわからんが、自分らあがとってきた新鮮な魚がちっとでも高う売れたらえい。今は余りにも安過ぎる。何のために危険な海に出ゆうか、わからん」という声が返ってきます。彼らにとってみれば、県全体の就業者数や漁協の合併問題などは別にどうでもいいことなんです。言いかえますと、彼ら漁業者が朝早く、あるいは夜中に出漁してとってきた新鮮な魚の産地市場での価格が、余りにも安過ぎるということです。このことが少しでも改善され、厳しい労働に見合う安定的な収入が得られるようになれば、後継者や担い手問題などに特別な対策は必要ありません。収入さえ保障されれば、仕事が少々つらくても、朝少々早くても、後継者はひとりでにできるんです。 漁協の経営状況や合併問題についても同じです。水揚げがふえれば、漁協への手数料収入もふえるし、未収金も減るでしょう。別に1県1漁協でなくても、地域の特性を生かしてそれぞれに特色を持った漁協として、運営もできていくはずです。現在、水産業が抱えている問題の根本原因は、この魚価の低迷だと私は考えています。本来、この魚価向上対策の先頭に立って取り組んでいかなければならないのは漁協であり、県漁連です。しかしながら、本年度のカツオの振興策でも御承知のように、もはやこの系統団体にはそれだけの体力や挑戦意欲は残されておりません。 そこで、海洋局長にお伺いいたします。県民は、地元でとれた安全で安心できる魚を期待しています。その期待にこたえるためにも、産地市場では漁業者の努力に見合うだけの価格で取引されるべきです。今後、具体的に魚価向上のためにどのように取り組んでいかれるのか、海洋局長にお尋ねをしておきます。 次は、本県の少子化対策についてお伺いいたします。本県は、高齢化という点で全国の先頭を走ってきましたが、若年人口の減少に起因した少子化の進行という深刻な問題も抱えてきました。本県の人口は、現在の80万3,000人から、2030年には10万人も減って約70万6,000人になるという予測もあります。人口の減少は、県の活力の低下にも直結することとなります。交流人口をふやし、それをもって経済効果を誘導するという施策などにも、観光などを中心にそれぞれの部門で精力的に取り組まれてはおりますが、究極は定住人口の増加にまさる経済効果はなく、人口の増加政策は本県の課題の中でも重要な位置を占めていると私は認識しています。その意味では、県内の中山間の町村で現在積極的に取り組まれている若者の定住の優遇促進策は当然のことであり、私は、今やこのことは県レベルに持ち上げてでも取り組むに値する重要な施策だと思うんです。 各市町村では、大変な財政難の中で、集落の存亡をかけた若者の引きとめや育児支援の政策をあらゆる手だてで展開しています。私は、このような町村の施策について県からの支援も含め、人口増加政策を進めるべきだと思うんですが、まずこの点で知事の人口政策についての御認識をお伺いいたします。 さて、出生率の低下は全国的に見ても過去30年間一貫して進行しており、このことは、我が国の社会保障や経済社会の維持に深刻な影響が出るのではないかと最近特に懸念されております。そんな中で、本県においても年間出生数は30年前に比べるとおおむね半減し、約6,000人になっています。今の時代は、子供を多く産み、たくましく育てるには大変厳しい社会経済環境になってきました。そうした意味で、仕事も心置きなくしながら、子育ても含めた家事、家庭のこともできるという働き方の見直しが大切なこととなってきました。仕事と子育てが両立できる社会をつくることは、若い子育て世代を後押しすることにもなるんです。 こんなことを考えるとき、ちょうどことし6月に閣議決定された少子化社会対策大綱において、4つの重点課題のうちの一つとして、仕事と家庭の両立支援と働き方の見直しをするということが上げられました。去年7月に成立した次世代育成支援対策推進法は、次代の社会を担う子供たちが健やかに生まれ育成される環境の整備を図るという観点から、次世代育成支援対策についての基本理念を定めたものです。その中では、国も地方も、そして企業も、その具体的な行動計画を迅速に講じなければならないとしています。これに基づき、昨年8月には国から各地方自治体に行動計画策定指針が示され、地方公共団体でも16年度中にこの計画の策定に着手しているものと承知しております。 そこで、お伺いいたします。まず、知事に、このような本県の共働き家庭の多い実態を考慮に入れたとき、県のこの行動計画策定に向けた意気込みと、その方向性についてお伺いをいたしておきます。 以下は、所管が交錯していることから担当の部局長から答弁をいただきたいんですが、まず県を事業主とみなしての行動計画策定の進行状況はどうか。 また、同じ行動計画の策定が義務づけられている301人以上の従業員を擁する事業所は本県にどれだけあるのか。そして、現在こうした企業での策定に向けた取り組みはどこまで進んでいると把握しているのか。また、この企業の行動計画を実効性のあるものにするために、県はどのような取り組みを考えているのか。 そして最後に、中小零細企業の多い本県の特性からすれば、300人以下の事業主におけるこのような計画の方がもっと重要だと思うんですが、本県の取り組みとしてこの中小零細企業に対する指導はどう行うのか。以上、あわせてお伺いをしておきます。 さて次は、山内家の宝物であった高野切本の保存と今後の活用についてお聞きいたします。9月定例会において、山内家の宝物である高野切本を7億円で購入する議案が賛成多数で可決されました。知事は本年7月に財政危機宣言を行い、すべての事業をゼロから見直して、できればあった方がよいといったレベルのものは原則として断念するか凍結すると発言をされました。その直後にこの7億円の提案であり、余りにも唐突で巨額な県費の支出に対し、県民世論は大きく分かれました。私は、文化厚生委員会で、県民サービスを低下させなければ予算が組めないような財政状況にありながら、なぜ今すぐ購入しなければならないのかとの視点から質疑を行い、本会議においても、賛成少数で否決にはなりましたが、高野切本の購入予算を減額修正する動議も提出いたしました。しかし、高野切本の購入が決まった以上は、山内家から寄贈された3万6,000点の宝物もあわせて適切な保管や、巨額な購入経費に見合った活用計画を立てるなど、今後は知恵を絞っていかなければならないと考えております。 そこで、お伺いをいたします。今回の補正予算では、レプリカの制作費や運搬費用、土佐山内家宝物資料館の収蔵庫の設備費用など4,500万円余りが計上されておりますが、今後、高野切本や寄贈された宝物を適切に展示、保管していくために新たに必要となる経費には一体どのようなものが想定され、その総額は今後どの程度になるのか、文化環境部長にお聞きをしておきます。 また、県民に高い買い物ではなかったと理解してもらうためには、再来年のNHK大河ドラマ「功名が辻」と連携して、観光資源として経済効果を最大限に高めていくことも重要であります。知事も新聞では、「話題づくりと経済効果を考えたら、もう絶対損はない」と発言をされておりますが、具体的にはどのような活用策を計画し、どの程度の経済効果を考えているのかもお伺いいたします。 最後に、土佐山内家宝物資料館及び山内会館は築後34年を経過しており、さらに温度、湿度の管理とか警備、紫外線対策などの点でも、貴重な宝物の展示施設としてふさわしい建物とは言えません。当面の展示施設として土佐山内家宝物資料館を使わせていただくことはやむを得ないとしても、中途半端な改修費用を支出するよりも、早急に高知城周辺に本格的な展示施設を整備し、高知城見学と組み合わせた文化・観光拠点とされてはどうかと思うのですが、知事にお伺いをいたします。 最後に、プレジャーボートの係留に関してお伺いいたします。漁業の不振が続いている一方で、海洋レジャーは年々ポピュラーになり、漁港内での漁船と遊漁船の混雑やトラブルが問題化してまいりました。こうした事情を背景に、県は平成12年、県漁港管理条例を改正し、これらの船のすみ分けをするため、いわゆるプレジャーボートには係留施設を整備するなどの対策を進めてまいりました。そして、プレジャーボート用の係留設備が整い次第、順次そこに移動してもらい、持ち主からは年間3万ないし4万円程度の係船料金を徴収し始めました。県が実施する対象遊漁船は約5,300隻あり、そのうち係留場所が県管理漁港であるものが約1,450隻あります。そのうちの約750隻が宇佐漁港に集中して係留されており、徴収年数が経過するに従い、高齢者所有の現状や係留場所による整備ぐあいの格差のことなどでいろいろと問題が聞かれるようになってきました。 プレジャーボートといえば大型の遊びのモーターボートというイメージがありますが、実際、宇佐漁港での持ち主の実態は、年金暮らしをしている元漁師たちの小型船が60%以上を占めているんです。かと思えば、漁業者でもなく実際には遊漁船である船が、漁船に交じって無料で堂々と、高知県の漁船であることを示すKO番号をつけて港の中央に係留されてもいます。また、多額を投じた、くし型桟橋に係留されている遊漁船がある一方、戦前から使用しているほとんど何の施設もない石垣の岸壁に係留している遊漁船もあります。しかし、これらは今、細かい事情による区別なく、すべて一律に係船料金が徴収されております。所有者の実態や係留場所の状況などに、もっときめ細やかな調査や配慮があってもいいと思うんです。 今議会にもこのことに端を発した諮問議案が提出されていますが、現在進めている徴収方法で問題が起きている漁港はほかにないのか、徴収は順調にいっているのか、まずお伺いいたしておきます。 宇佐漁港では、係留者の間で、係留地点の整備の程度とか無料係船区域のこと、そしてまた、さきに述べた漁船の名義貸しの実態の放置などに、不公平感や不満感を持つ方が多くいるようです。実際、波よけの一つもなく港とは到底呼べるような岸壁でもないのに同じ係船料を支払わされている塩浜東港などでは、先日の突風程度でも船は転覆をしてしまいました。プレジャーボートの所有者の方々がこのような条例の不備を訴え続けているにもかかわらず、所管の理解が全く得られないばかりか、条例を盾に未納者に対する強硬な差し押さえや、裁判にまで発展する気配さえもあります。 こうした状況を考えるとき、条例の内容をもっと実態に合うように、そしてもっときめ細やかな配慮も含めて見直すことも必要ではないかと考えますが、海洋局長のお考えをお伺いいたします。 これで、第1問を終わります。(拍手)   (知事橋本大二郎君登壇) ◎知事(橋本大二郎君) 森田議員の御質問にお答えをします。 最初に、今回の知事選挙の結果の受けとめ方や、平成3年の知事選挙での選挙資金の問題に関連して使いました原罪という言葉に込めた思いなどについてお尋ねがありました。あわせてお答えをします。まず、13年前の選挙に関しますことでは、私は自分の知り得る範囲でできるだけの説明をしましたが、それでは納得できないという方も、もちろんおられると思います。とはいえ、このことを背景にしました2度の選挙を通じて、県民の皆様からは高知県のために引き続きしっかりやれと言っていただいたと受けとめています。 一方、一連の問題は私の初めての選挙の際に起きた出来事ですし、その当事者は私の子供のころからの知り合いですので、ある意味の原罪としては背負っていかなければいけないことだと申し上げました。こうした13年前のことについては、既に説明の文書や選挙戦を通じて県民の皆様におわびを申し上げましたが、今後もこのことを肝に銘じて県勢の発展のために今まで以上に精いっぱい力を尽くしていきたいと考えています。 次に、議会制民主主義に関して2つの御質問がありました。順序が相前後しますが、あわせてお答えをします。まず、議会制民主主義は、選挙を通して選ばれた代表によって構成されます議会が国民の意思を体現しながら政治を運営していくものですから、議会の意思決定を重く受けとめなければならないことは言うまでもありません。ですから、このたびの出直しの選挙に当たりましても、その意思決定を重く受けとめた上で判断をしましたが、もしその決定が地方自治法第178条に基づく不信任の議決であればその重みも違いますので、それに対する対応もおのずと違ったものになっていたと思います。しかし、今回は県民の不信を招いたことを理由とする辞職勧告の決議でしたので、議会と同様、県民の皆様に直接選ばれた知事という立場を踏まえまして、改めて私に対する県民の皆様の判断を仰ぐという道を選択しました。 次に、議会との意思疎通を図るための具体的な手段や、その際の支援議員の方々とのかかわり方についてお尋ねがありました。これも、あわせてお答えをします。このたびの初登庁の日にも職員に話をしましたが、これまで議会との間にきしみや摩擦があったことも事実ですので、少しでもそうしたことをなくしていきたいと思っています。そのためには、議員の皆様と直接お会いをしてお話を交わすことも大切だと感じていますので、それぞれの会派にお邪魔をするなど私なりの努力をしていきたいと考えています。その際には温かく迎えていただきますようお願いを申し上げます。ただ、こうした私一人の努力だけで議会との関係を変えていけるものでもないと思いますので、選挙のときに支援をしていただいた議員の方々にも仲介役になっていただいて、県議会全体との関係をより円滑なものにしていきたいと願っています。 次に、知事選挙で相手候補の方が獲得された票の持つ重みや、選挙の前に申し上げました自信を持って仕事をするためという言葉の意味についてお尋ねがありました。これも、あわせてお答えをします。昨年の選挙の際にもそう感じましたが、私への支援の思いの有無とは別に、多くの県民の皆様は現在の高知県の経済の状況に対して不満やいら立ちを感じておられると思います。ですから、こうした県民の皆様の声にもしっかりと耳を傾けながら、産業の振興や雇用の拡大に取り組んでいきたいと考えています。その一方で、私は、知事に就任しまして以来、隠し事のない県政に努めてきましたし、自分たちの利益のために県政をゆがめようとする特定の個人や団体には毅然とした対応をとってきました。こうした県政改革の取り組みは県民の皆様からも評価をいただいていると受けとめていますので、今後もこの姿勢を貫いていきたいと思います。 また、今回の出直しの選挙を前に私は、三位一体の改革が地方の実情を無視して進められる中で、辞職勧告を受けた知事が県を代表して国に意見をぶつけてもその発言は説得力を持たない、だからもし私を必要とされるのであれば地方の代表として戦う力をもう一度県民の皆様から直接与えていただきたいという趣旨で、自信を持って仕事を進めるためにといったことを申し上げてきました。その結果、そうした私の思いを理解してくださった方々が多数に上ったということですので、御信任をいただいた責任の重みを受けとめて、今後の仕事に全力で取り組んでいきたいと思います。 次に、ぬくもりといった表現についてのお尋ねがありましたが、このことについては、これまでも議会の場での御指摘に対して私の思いや考え方を申し上げてきました。つまり、協調性やぬくもりは、あくまでも県民の皆様の目線から見たものでなければならないというのが私の受けとめ方ですが、こうした私の思いを多くの職員は理解してくれるようになってきていると感じていますので、庁内でも、より一体感を持った関係をつくっていきたいと思います。また、先ほど申し上げましたように、議会との関係でも意思の疎通を図ることの必要性を感じていますので、私なりに努力をしていきたいと思います。 次に、知事選挙によって生じた県民同士の心の溝をどうするのかとのお尋ねがありましたが、今回の選挙は私に対する信任が大きな争点でしたので、県民の皆様の間にこの選挙によって大きな心の溝ができたとは私は受けとめていません。ただ、選挙の際にも申し上げましたが、高知県の置かれている厳しい状況を考えますとき、批判のための批判を繰り返すといったことではなく、より前向きな議論を通じて一体感のある県づくりを目指していく必要があると感じていますので、そのための努力もしていきたいと思います。 次に、13年前の知事選挙に関して重ねてお尋ねがありましたが、資金の出し入れや経費の管理にずさんであいまいな点があったことは否定できませんので、このことは説明の文書や選挙戦を通じまして県民の皆様にもおわびを申し上げました。これに対して、もうそろそろ県政を前に向けて進めてもらいたいというのが、大方の県民の皆様の思いではないかと受けとめています。 次に、多選の認識についてお尋ねがありました。昨年の知事選挙の際にも申し上げましたが、知事の仕事の忙しさを考えますと、在職期間の長さよりも年齢や気力の問題の方が大切だと感じています。また、そもそも多選を認めるかどうかは、何よりも県民の皆様が判断をされることだと思います。あわせて、これも繰り返しになりますが、私は当初から無党派の知事として新しい形を貫いてきましたので、一般的に多選の弊害の一つと言われています特定の組織などとの関係やしがらみができる可能性は極めて少ないと自負をしています。 また、みずからの5選を多選と見るのかとのお尋ねがありましたが、今回の選挙は4期目の途中の出直し選挙で、任期が延びるわけでもありませんので、多選云々の受けとめは昨年の選挙のときと変わりはありません。 続いて、県庁改革の進みぐあいと到達点についてお尋ねがありました。私は、知事に就任しまして以来13年間、県民本位の県政を実現するために職員の意識改革や仕事への取り組み方の見直しを積極的に進めてきました。その結果、一人一人の、またいろいろな立場の県民の皆様の声に耳を傾けながら仕事のあり方や方向を考えられる県庁になってきたと思っています。また、このことは、この13年間の大きな変化の一つだと手ごたえを持って受けとめていますが、こうした改革は絶えず前に進んでいくべきものですので、山登りに例えられるものではないと私は考えています。ですから残る任期中も、改革が後戻りをしないように一歩一歩着実に取り組みを進めていきたいと思います。 また、改革に向けてのリーダーとしての意欲というか使命感は今申し上げたとおりですが、今は去年に続いての選挙が終わったばかりですし、財政危機への対応を初め差し迫った課題が山積していますので、次の任期について思いをめぐらせる余裕はありません。 次に、自分の責任に対する考え方などについてお尋ねがありました。私はこれまでも、知事として常に県民の皆様の目線に立って判断をしてきました。このうち、責任のとり方に関しましては、出来事に応じても、また見る方の立場に応じてもさまざまな受けとめ方があろうかと思いますが、いずれの場合にも県民の皆様の思いを胸にみずから判断をしてきましたし、またこれからもそうしていきたいと思います。 次に、もっと県内に密着をした活動に徹してはとのお尋ねがありました。私は、知事に就任しまして以来、県政車座談議や一日県庁を初め、昨年の知事選挙の際の政策づくりのための地域懇談会など、さまざまな機会をとらえては県内の各地域に出かけて、直接県民の皆様の御意見を伺ってきました。ですから、県内に密着した活動という点では、ほかのどの知事にも負けない活動ができていると思いますし、県民の皆様の生活の実態や思いについても私なりに把握をしているつもりです。一方、全国にその名を知られるということは、高知県のPRや県内産品の売り込みといった面でも大切なことですし、三位一体の改革といった県の将来を左右するような大きな課題に対して発言力を持ってアピールできることも、知事として大切な役割だと思います。また、そうした私の持ち味を生かすことは多くの県民の皆様から期待されていることだと思いますので、今後とも、県内の仕事とのバランスを図りながら、外に向けての活動にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。 次に、県の中長期の戦略としての総合計画の策定についてお尋ねがありました。中長期の計画を立てる際の基礎となります将来的な財政の見通しなどが、ますます不透明になってきています。このような状況のもとでは、従来のような投資分野ごとにその規模や達成目標をお示しした総合計画をつくることは大変難しいと私は考えています。しかし、中長期の視点から県の進むべき方向を明らかにした上でそれに基づいて政策を組み立てていくことは、重要なことだと思っています。このため、昨年の政策協議では、みずからの力で歩む高知づくりを県政の目標に掲げました上で、4つの重要課題を初め各部局ごとに主要な政策の洗い直しと再構築をしました県政の中期的な経営方針を策定しました。現在はその際の予想を超える危機的な財政状況を迎えていますが、今後とも、この経営方針に沿って政策のさらなる取捨選択を行いながら県政の課題に対応していきたいと考えています。 次に、副知事や出納長の選任についてお尋ねがありました。関連しますので、2つの御質問にあわせてお答えをします。副知事などの職は、山積する課題への対応や県議会との調整といった観点からも選任が急がれていると考えています。特に、吉良前副知事の退任に当たりましては、私の残された任期の3年間を新しい体制で進めてほしいという意向が込められていましたので、このことからもできるだけ早く選任をしたいと考えていますが、今の時点でその時期を申し上げることはできません。また、その人材につきましては、行政の仕事を知りながら、その一方で、どこを改革すべきかを理解しているような人物が望ましいと考えていますが、具体の人選が進めば議会の皆様にも御相談をしたいと考えています。 次に、議会との対話について御質問がありました。予算や条例などの議案は、その内容を議員の皆様に承知していただいた上で十分な議論をしていただく必要がありますので、正式な提案をする前に議員の皆様への説明会などを開催させていただいています。また、提案説明でも述べましたように、高知県をいかにしてよくするのかといった思いは、議員の皆様も私も何ら変わるものではありません。ですから、オープンな場で率直に意見を述べ合っていくことは、これからの県の発展にとって大切なことだと考えています。今後は、お話にありましたことや、これまでにいただいた御批判や御意見なども受けとめながら、よりよい形で建設的な議論ができますよう私自身も積極的に取り組んでいきたいと考えていますので、議員の皆様方にも御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。 次に、議会と知事との間に県民本位の関係を再構築して新たな気持ちで県政に取り組むことをお互いに約束し合いたいとの御提案がありました。議会との関係では、執行部からの十分な説明と資料の提供をもとに、オープンな場で県民の目線に沿った率直な議論をしていくことが基本になると考えています。それだけに、困難な局面を前に県が総力を挙げて立ち向かっていかなければならない今、議会と知事との関係を再構築して新たな気持ちで県政に取り組もうという前向きの御提案を大変ありがたく思います。繰り返しになりますが、私自身もそのために努力をしていきたいと思います。 次に、平成17年度の予算編成を行います上でのポイントについてお尋ねがありました。三位一体の改革に象徴されますように行財政の枠組みが大きく変わっていきます中で、地方にはこれまで以上にみずからの判断とそれに対する責任が求められていますし、経済的にもより自立した姿が求められることになります。そのためには、その基礎となります安定した経済基盤の構築が欠かせませんが、提案説明でも述べましたように、今回の選挙を通じてこのことに対する県民の皆様の強い思いを改めて感じています。ですから、来年度の予算編成では、県政運営の中長期的な方向性を示す4つの重要課題の中でも産業の振興と雇用の拡大による経済の基盤づくりを最も優先すべき課題と位置づけて、現在作業を進めています。同時に、南海地震への対応を初め、お年寄りや子供に代表されます社会的に弱い立場にある方々が安心して暮らしていける地域づくりを通じて、県民の皆様が子育てや老後の暮らしなど高知での将来に安心感や明るい希望を感じていただけるような取り組みを進めていきたいと考えています。 次に、今回示されました三位一体の改革の全体像についてお尋ねがありました。目指すべき税源移譲の規模とされました3兆円のうち、今回合意された額は2兆4,000億円余りにとどまりましたが、それでも税源の移譲がかつてない規模で行われることになります。また、国と地方との協議の場が設置されて、今後の改革に向けてもこの場が確保されることになりました。こうしたことは、長い目で見れば地方分権に向けた大きな一歩ですので、これらの点だけは評価してもよいと思います。 ただ、2兆8,000億円余りとされました補助金の改革の内容を見ますと、提案説明でも述べましたように、地方の案にはなかった国民健康保険制度への県の負担の導入や、国の関与が依然として残ります、補助金の単なる交付金化などが含まれています上、税源移譲の対象の範囲や、17年度、18年度のいずれの年度で廃止して税源が移譲されるのかといった具体的な中身も、現時点ではなお、あいまいなままになっています。こうしたことから、三位一体の改革が目指す本来のメリットである地方の自由度を生かして県や市町村が創意や工夫を凝らそうとしましても、今のままでは取り組みようがありません。さらに、地方交付税に関しましても、依然として大幅な削減の可能性が消えないままになっています。このため、来年度の予算編成、ひいては住民サービスそのものにも支障を来しかねないと懸念をしています。 これに対して本県では、春の段階から国への提案や要望の活動を通じて、こうした混乱を生じさせないためにも早くその全体像を明らかにするよう求めてきましたし、その結果として、この6月には全体像を秋に明らかにするという閣議決定がなされたものと受けとめています。ですから、今回示されました全体像とは言いがたい内容に対しては大いに不満を持っていますし、一連の動きの中での不誠実としか言いようのない国の対応は残念でなりません。 次に、昨日の全国知事会議の内容について2つの御質問がありました。関連しますので、あわせてお答えをします。昨日の全国知事会議では、まず麻生総務大臣から、18日の地方財政対策の決着に向けて一般財源の総額確保という残された課題をきちんと仕上げていきたいとのお話がありました。また、大臣との意見交換の中で私からは、三位一体の改革についてさまざまな意見がある中で損得勘定を抜きに賛成をしてきたが、それは地方交付税による財源の調整や保障の機能が前提条件になっていた、だからその前提条件が崩れることのないようにすべきだと強く訴えました。これに対して麻生総務大臣からは、税源移譲に伴う地域間の格差は埋めていく、また17年度と18年度は地方の一般財源の総額を確保するという線を外さないようにきちんと対応したいとのお答えがありました。加えて総務事務次官からも、地方交付税の総額が幾らになるのかは言える状況ではないが、一般財源の総額の確保に向けて財務省との折衝が崩れることも辞さないとの強い姿勢で交渉に当たっていくという発言がありました。 また、きのうの会議では、国民健康保険の問題や、国と地方との協議の場のあり方、さらには三位一体の改革を進めるための法律をつくってはどうかといった提案や議論が行われました。その中で私からは、現状を見ると国に一方的に押し切られている面があるので地方としての対抗手段を考えるべきではないかとの意見を述べました。これに対して梶原会長からは、地方はこれといって戦う武器を持っていない、マスコミや世論などに訴えることによってもっと地方に目を向けてもらうようにするしかないとのお答えがありました。こうしたやりとりを受けて、県議会を初めとする地方の6団体はもちろんですが、地元選出の国会議員や経済界も含めて地方が一体となってこの問題に立ち向かっていく必要性を改めて強く実感しました。 次に、三位一体の改革に対する評価が知事によって分かれているのではないかとの御質問がありました。全国の知事の間で、表現の仕方には違いがありますが、現在の三位一体の改革が地方の意見を十分に尊重しているとは言えないことや、税財政の面での地方分権を目指すという本来の趣旨に沿ったものになっていないという基本的な認識には、大きな違いはないと思います。ですから、お話のように知事が幾つかのグループに分かれているといった状況ではないと受けとめています。ただ、個々の国庫補助負担金のあり方については、それぞれの知事の皆さんの信念や地域が抱える事情に違いがありますので、さまざまな意見があるのは当然ですし、それはそれで尊重されるべきことだと思っています。 次に、地方交付税を守るための行動や決意についてお尋ねがありました。まず、当面の取り組みとしましては、先ほどもお話をしましたように昨日の全国知事会議の席で地方交付税の総額の確保の必要性などを総務大臣に強く訴えましたし、それに先立ってこの9日には財務大臣にも直接お会いをして、単に交付税を削ることだけが改革ではないとの考え方や、これ以上の削減は地域の経済にも大きな影響を与えることになるといったことを意見として申し述べました。こうした中、国の予算編成は大詰めを迎えていますが、県民生活を守る上で地方交付税を確保することが今現在の最大の課題だという点に関しては、森田議員はもちろん、ここにおられる議員の皆様も思いは一つだと思いますので、皆様方からもあらゆる機会をとらえて、またパイプを生かしてお力添えをいただきたいと思います。 あわせて、議員の皆様には言わずもがなのことですが、本県は中山間地域や海岸線などを多く抱えるため行政需要が大きい上、人口が少なく第2次産業の基盤も弱いため、公の経済が果たしている役割が極めて大きくなっています。こうした現実が、大都市部にお住まいの方にはもちろん、マスコミや有識者、さらには経済界の方々にも十分には理解されていないために、現在の地方交付税に対する不当とも言えるような圧力があると受けとめています。ですから今後は、こうした地方の実情や交付税そのものの重要性をこれまで以上に積極的にアピールしていく必要があると思いますので、この点でも議員の皆様と一致団結して協力をしていければと考えています。 次に、市町村合併に関して、現在の合併特例法の期限切れを目前にしました県の取り組みと、新たな合併特例法のもとでの県の基本的な対応方針、さらには合併する市町村への支援交付金についてお尋ねがありました。いずれも関連しますので、一括してお答えをします。三位一体の改革に伴います地方交付税の大幅な削減など厳しさを増す財政状況のもとでこれからの市町村の行財政運営を考えますと、市町村合併は避けては通れない課題です。また、それだけでなく地域の将来にとりましても、住民の皆様が改めて地域のことを考えながら新たな地域づくりを進めていくための有力な手段だと考えています。お話にありましたように、県内の幾つかの地域では現時点でも、現在の法律の経過措置を活用して何とか合併を実現したいという動きがありますので、県としましても全庁を挙げて精いっぱいの支援に努めていきます。また、私自身が直接地域に出向いてお話することにも積極的に取り組んでいきたいと考えています。 一方、新しい合併特例法では、県が合併の構想を立てた上で必要なあっせんや調整を行いますなど、引き続き各地域の自主的な合併に向けての取り組みを支援していくことが盛り込まれています。具体的な対応のあり方は今後検討していくことになりますが、新法の趣旨も踏まえまして積極的な支援を行っていきます。また、その際には、合併によって周辺となる地域の住民の皆様の不安の解消などを目指した本県独自の交付金による支援も引き続き行っていきたいと考えています。 次に、産業振興政策についての御質問にお答えをします。まず、1次産業の位置づけとこれからの取り組みへの姿勢についてお尋ねがありました。関連しますので、あわせてお答えをします。本県の1次産業は、我が国全体の産業構造の変化や輸入産品との競合などの影響を受けて縮小を続けていますが、お話にもありましたように、農林水産物の加工や流通といった関連の産業も含めますと、多くの県民の皆様の生活を支えている分野だと言えると思います。また、県外からいわゆる外貨を獲得できる産業でもありますので、今後とも本県の有力な基幹産業に位置づけられるべきだと考えています。こうした認識に立ってこれからも1次産業の振興に取り組んでいきますが、その取り組みの方向として、まずは本県の農林水産業がこれまで培ってきました特性や強みをさらに発揮させていくことが重要だと考えています。 このため、1次産業に共通した課題である担い手の育成を進めながら、園芸農業の立て直しや、計画的な間伐による森林の整備と川下対策としての木材産業の構造改革、さらには販売力の強化などを通じた沿岸漁業の足腰の強化などを中心に、農林水産業に携わる方々の意向や主体的な活動を支援していきたいと考えています。また、こうした取り組みとあわせまして、本県の農林水産業に新たな個性や競争力を加えていくことも重要な視点です。こうしたことから、今後は、有機無農薬の農産物の産地づくりや養殖魚の流通へのトレーサビリティーの導入、さらには二酸化炭素の排出権取引に着目をした森林の整備手法の検討など、1次産業を環境とのかかわりの中でとらえた安全と安心のための新しい戦略的な取り組みを進めていきたいと考えています。 次に、産業振興に関する予算の特別枠の取り扱いについてお尋ねがありました。平成15年度の予算編成では中期的な4つの重要課題について予算の重点化を図るための特別枠を設けましたが、その中で、産業を育成するというテーマにつきましては雇用や早期の経済への効果という観点から新産業の育成や企業誘致、さらには1次産業を初め他の産業分野にも即効的な波及効果が望めます観光産業などを対象としました。しかし、今後一段と厳しい財政状況が続くことを考えますと、幅広く産業の振興と雇用の拡大を図ることでできるだけ自立できる経済をつくり上げていくことが、緊急の、また最も重要な課題となっています。このため、来年度の予算編成に当たりましては、4つの重要課題の中でも産業の振興と雇用の拡大を最優先に位置づけますとともに、新たな事業展開によって地域に雇用を生み出すといった1次産業の分野の取り組みにつきましても、これまでの取り扱いにこだわらず弾力的に運用をすることにしています。 続いて、人口政策に対する認識についてお尋ねがありました。従来から、人口は地域の活力のバロメーターとされてきましたので、人口の増加を図ることは多くの地域で政策の目標にもなってきました。しかし、2006年をピークに我が国全体の人口が急激に減少していくと見込まれていますし、これに現在の県の人口の年齢構造などを考え合わせますと、これからの本県の人口がさらに減少することや少子化と高齢化の流れが一層進むこともある程度避けられない状況にあります。こうしたことから、これからの県政に課せられた最も大きな課題は、このような状況にあっても地域が活力を失わずに一人一人の県民の皆様が幸せに暮らしていくために何が必要かを考えて、そのための対策を実行に移していくことだと考えています。 こうした困難な課題の解決に向けて、高齢者がこれまで以上に生き生きと活動できる場づくりを進めることなどももちろんですが、それにも増して、お話にもありましたように将来にわたって地域を支える若者が残ることのできる条件整備、とりわけ魅力のある就業の場づくりに力を注ぐ必要があります。ですから、こうした取り組みを市町村や民間の方々と連携して進めることによりまして実のある成果につなげることこそが、最大の人口政策だと考えています。 次に、県の次世代育成支援対策推進行動計画の策定に向けた意気込みと、その方向性についてお尋ねがありました。今回の計画づくりには3つのポイントがあります。第1は、県や市町村だけでなく企業などの事業主が参画することで、これによって県と市町村、それに事業主それぞれの役割を明確にすることができます。とりわけ共働きの家庭が多い本県にとりましては、事業主が行動計画をつくることには大きな意義があると思います。第2は、女性の働き方に加えて、男性の働き方を見直す方向を盛り込むことです。例えば、これまで本県では育児と仕事の両立を支援するために保育サービスの充実に重点を置いて取り組んできましたが、これからは、親の働き方に子供の生活を合わせるという考え方から子供たちの健やかな育ちにとっては何が大切かを最優先させる考え方に視点を移して、男性の育児休暇の取得などを県民の皆様に提案することになります。そして第3は、子育て支援を行政だけが担うのではなく、子育てに関する活動をしているNPOや子育てサークルなどの力をかりることで地域で子育てを支えていく仕組みづくりといった視点を盛り込んでいくことです。こうしたことを通じて地域の温かい支援をいただきながら、子育てをするお父さんやお母さんが子育ての中に喜びを実感できるような環境づくりに取り組んでいきたいと考えています。 次に、山内家の資料の活用計画に関して資料館の施設整備についてお話がありました。当面は、資料の劣化を防ぐための緊急な対応として収蔵の機能を充実しました上で現在の資料館を引き続いて使用していきますが、およそ5万点ともなりました貴重な資料を県民共有の財産として末永く保存しながら幅広い活用を図りますためには、県有の施設の整備が求められることになります。このため来年度は、高知城周辺の既存の県有の施設を中心に、改修費など経費の面での比較も行いながら、新たな山内資料館としての施設を整備する方向で検討を進めたいと考えています。 私からは以上です。   (総務部長池本武広君登壇) ◎総務部長(池本武広君) 予算に関しまして、248億円の財源不足への対応と、基金が底をついた後の多額の財源不足への対応についての御質問がありました。あわせてお答えいたします。 この9月に公表しました248億円という来年度の財源不足額の見込みは、税や地方交付税などの歳入が平成16年度と同じ程度確保されるという前提に基づきまして単純な仮定のもとで試算したものでございます。そのため、財務省が主張するような地方交付税の大幅な削減が行われる事態となりますと、不足額はさらに膨らむことになります。このように不透明な要素が多い状況ではありますが、当面は、9月に公表しました財政危機への対応指針に基づいてできる限り歳出の削減や歳入の確保に努めていくことになります。しかし、今後数年間はそれでも大幅な財源不足が生じる見込みですので、この指針が念頭に置いています平成19年度の予算編成までは、今年度と同様に基金の取り崩しや行財政改革を前提としました財政健全化債の発行などの手段で対応せざるを得ないのではないかと考えています。 しかしながら、既に2次にわたります財政構造改革などに取り組んできました本県では、これまで以上の多額の財源不足が恒常的に続く場合には、歳出面での自助努力には限界がありますので、財政再建団体への転落といった事態さえ現実のこととしてとらえなければなりません。こうしたことから、地方財政の現状や地方交付税の重要性などについて国や経済界などに理解を求めていくことがこれまで以上に大切になってきていますし、こうしたことに全庁を挙げて取り組んでいきたいと考えています。 次に、次世代育成支援対策推進法に係る特定事業主行動計画の策定の進行状況についてお尋ねがありました。次世代育成支援対策推進法では、地方公共団体が地域における子育ての支援等に関する行動計画を策定することが義務づけられております一方、地方公共団体は職員を雇用する立場から特定事業主として位置づけられています。県は特定事業主の立場で、国の定めた指針に沿って県職員の仕事と家庭の両立等に関する行動計画を策定するとされています。国の指針では、計画策定の視点として、職員のニーズを踏まえる、すべての所属で取り組むといったことが示されております。このため本年2月には、県職員の家事、育児に関する意識調査を実施し、職員の育児に関する意識や育児休業の現状などを調査することで職員ニーズの把握に努めたところでございます。 また、行動計画策定の体制といたしまして、担当課だけの検討にとどまることなく広く庁内での議論を行うために、関係課の職員とあわせて庁内公募の職員も加えたワーキンググループを編成いたしました。ワーキンググループでは、国の指針で示された事項や国の研究会から報告のあった計画のモデルをもとに議論を重ね、現在、行動計画の素案づくりを行っています。今後、素案について庁内での意見聴取を行った上で年度内には行動計画を策定し、所属長や職員に周知徹底するとともに、平成17年4月1日から施行をしたいと考えています。 以上でございます。   (農林水産部長星沢昭雄君登壇) ◎農林水産部長(星沢昭雄君) 産業振興政策に関します御質問にお答えをいたします。 まず、平成17年度予算編成上の1次産業の取り扱いに対します受けとめや展望、また今後の取り組みにつきましてお尋ねがございました。今回の1次産業の特別枠への位置づけについてでございますが、農業は本県の有力な基幹産業であり、また本県の産業の中でも断トツで県外から外貨を稼いでいる意味におきまして、いわば高知県の元気の源だと再認識をいたしております。知事からも御答弁を申し上げましたが、産業の振興と雇用の拡大が現在最も優先する政策課題ですので、厳しい財政状況を踏まえ既存の施策についてさらなる重点化を図ります一方、特別枠を活用し事業の新たな展開に努めてまいります。平成17年度からは、この特別枠の中で、農業の担い手対策として他の産業分野からの農業参入を支援する取り組みや、有機農業の実践者を育成する取り組みへの支援などを検討しております。ただ、これまでも申し上げてまいりましたが、こうした施策の実施に当たりましては行政の取り組みだけでは十分な成果は上げ得ませんので、地域の農業団体や農業者みずからの主体性を生かしていきたいと考えております。 次に、本県の生産する野菜の消費拡大についてお尋ねがございました。本県園芸品が厳しい国内外の競争に打ち勝つために、平成13年度からは特に、関係機関とともに園芸こうち販売促進事業実行委員会を組織いたしまして、知事を先頭に本県出身の漫画家やなせたかしさんのデザインによるキャラクターを使ったコマーシャルなどによりまして本県園芸品のイメージアップに努めてまいりました。その結果、平成13年度、15年度の両年度に実施をいたしました消費者ニーズ調査では、例えば、野菜全般の産地として思い浮かべる都道府県はとの問いに対しまして高知県と答えた消費者の割合を見てみますと、関東地域では8位から6位に、関西地域では4位から3位にそれぞれ上がるなど、消費地におけます園芸産地としての高知県の認知度は向上しております。このことは、事業の効果であると受けとめをいたしております。今後も引き続き、実行委員会への支援を継続し、消費者に選ばれる産地となるよう効果的なPRを実施してまいります。 一方、日本における野菜の年間消費量を国民1人当たりで見ますと、中国、韓国、アメリカなどに比べまして50ないし80%台であることに加えまして、最近は年々減少傾向にございます。また、本県は全国でも有数の野菜供給県でありますが、県民の野菜摂取量は全国平均を下回る現状にもございます。こうしたことから、議員のお話にもありましたように野菜の消費拡大そのものも重要でございますので、県といたしましては国に対し、消費拡大の実現へ向け国を挙げて効果的な取り組みを展開することを要望してまいりましたし、来年度には本県自体でも、県内の野菜消費の拡大に向けまして健康福祉部、教育委員会とも連携した総合的な取り組みを検討しております。 次に、中山間農業の活性化に向けた取り組みについてのお尋ねがございました。議員御指摘のように、高齢化や後継者の不足など中山間地域の農業を取り巻く状況は大変厳しいと認識をしております。今後の取り組みといたしまして、まず生産面では、1つには、夏季の冷涼な気象を生かし、かつ高齢者でも栽培が可能な夏秋野菜につきまして平場とのリレー出荷をより促進すること、その際には耕畜連携や減農薬栽培による環境に優しい取り組みを今後一層進めることで付加価値を高めること。2つ目には、冬場遊休化しております雨よけハウスの有効利用といたしまして、小規模なロットでも商品性の高い例えばスナップエンドウのような品目の導入を促進すること。さらには、中山間地域の気象に適した栽培技術の研究成果の活用や、四方竹のような隠れた地場産品の発掘による産地化を図ることなどにより、今後も中山間地域の特色を生かす方向で努力を続けることが重要であると思います。 また、流通面では、平場で生産されました園芸野菜のように県外流通に乗せるだけではなく、圃場や生産農家が散在しているという地理的条件がございますので地域のJAを核に効率的な集荷体制を整備するとともに、県内市場での販売ルートを確保すること、さらには直販所のような生産者の顔の見える販売システムを構築することなどが重要であると考えております。県は、こうした地域の持てる力や特色を引き出しますため、中山間農業活性化支援事業を中心に、こうち農業確立総合支援事業、レンタルハウス整備事業などの支援措置を活用いたしまして、意欲ある地域の取り組みを積極的に支援してまいります。 以上でございます。   (海洋局長久保田寿一君登壇) ◎海洋局長(久保田寿一君) 海洋行政に関します一連の御質問にお答えをいたします。 まず初めに、来年度予算の重点化事業に水産業が取り入れられたことに対します基本的な認識と新しい取り組みに対するお尋ねがありました。来年度の産業振興の枠に新たに第1次産業が加わったことは、それぞれの地域の発展と雇用の場の確保に農業や水産業は欠かすことができないという判断に立ったものであり、水産業の振興に携わる部署として責任を感じますとともに、その責務を果たさなければならないと考えております。漁業協同組合の財務面の問題を初め、漁業従事者の減少や魚価の低迷など、水産業を取り巻く課題は数多くありますが、当面、来年度はこの新しい枠に対応するものとして、一つは漁船の老朽化などにより経営が悪化している経営体に対する支援を行ってまいりたいと考えております。さらには、県内の漁業者にとって長年の課題でもあります県産の漁獲物の産地化など、流通の分野に対しても何らかの支援策を講じていくことが必要だと思っています。 県内の漁業経営体の中には、存続の岐路に立っている経営体もありますが、一方では今後の取り組みによっては十分に飛躍する可能性のある経営体もあります。意欲を持ち、なおかつ地域で一定数の雇用を維持・創出できる経営体や、県内の各地で十分な可能性を持ちながら、いま一つそのポテンシャルを生かし切れていない浜の潜在的なパワーの掘り起こしに的を絞った取り組みを展開していきたいと思っております。 次に、魚価の向上にどう取り組んでいくかの御質問がありました。水産業が抱えております課題は、先ほども申し上げましたように幾つかありますが、それらの多くは森田議員が御指摘されましたように魚価が向上さえすれば解決されるというのは、基本的にそのとおりだと思います。このため、これまで魚をとる、あるいはつくるという部分に重点を置きがちであった漁業関係者も、付加価値を高めるための流通や加工さらには販売に目を向け、さまざまな取り組みを進めております。しかし、全体として見ますと取り組みが散発的であったり、あるいは供給の不安定さなどの面からまだまだ大きな課題が残っているのが実態でございます。しかしながら、県内にはキビナゴや冷凍ドロメといった、まだ十分に知られていないものの磨けば光る素材が幾つかあり、これらの加工や販売に、漁協を初め、漁協の女性グループ、あるいは漁業者グループが積極的に取り組み始めております。海洋局としましては、芽が出てきつつあるこれらの取り組みに対しまして、民間の方々や他部局との連携も含め今まで以上のバックアップ体制を構築し、一つでも多くの成功事例をつくり出していきたいと考えております。 また、平成15年度から2カ年にわたって策定してきました県内7ブロックの産地市場拠点化計画で示されました一元的な集荷や衛生管理の徹底、あるいは有力な魚商人の誘致などといった具体策に着実に取り組んでいくことも必要です。長い間にわたる取引上の慣行などがあり、自分たちの期待する価格をつくっていくことはなかなか難しい面がありますが、専門家によりますと、消費者に渡る店頭の価格に対して、いわゆる浜値は平均すると20%から40%という意見もあります。こうした面に積極的にメスを入れ、自分たちの漁獲物に対する価格形成力が少しでも向上するよう、県としては今後重点的に支援をしてまいりたいと考えております。 次に、漁港におけるプレジャーボートの係留に関する御質問にお答えをいたします。まず、宇佐漁港以外の漁港での使用料の徴収の方法をめぐる問題と徴収の状況についてお尋ねがありました。県管理27漁港のうち、宇佐漁港を含む10の漁港でプレジャーボートの係船に係る使用料を徴収しておりますが、使用料の徴収の方法につきまして宇佐漁港以外では特に問題は生じておりません。 使用料の徴収の状況につきましては、平成15年度末で見ますと宇佐漁港で10件、加領郷漁港で8件の合計18件の未納が生じましたが、そのうち14件につきましては、その後、自主納付をされております。それ以外の4件につきましては残念ながら滞納処分を行う結果となり、うち3件については所定の手続に基づき徴収をいたしましたが、1件がまだ完納されておりません。また、平成16年度におきましては、納期限が経過し使用料の納付をしていただいていない方が宇佐漁港ほか3漁港で24件ございます。収納率で見ますと11月末現在で94.3%の割合となっており、残る未納の方についても年度内に納入していただくよう今後とも努力をしてまいります。 最後に、漁港管理条例の見直しについてお尋ねがありました。使用料につきましては、建設費などの一定部分を受益者に負担していただくという考え方のもとに額の設定をしており、例えば浮き桟橋と防波堤の裏や護岸などに設置しています係船環と呼ばれる軽易な施設とは料金に差をつけるなど、それぞれの施設に応じて決定をいたしております。また、高齢者の方々に対して一定の配慮をという御意見のあることは承知しておりますが、プレジャーボートを使用しての海釣りはレジャー性が高いものですので、利用者ごとの区分ではなく利用する船の規模による区分を基準とする方が、より合理性があると判断をしたものでございます。 プレジャーボートは年々増加しており、それぞれの地域の特性、あるいは所有する方の立場によってさまざまな御意見があります。県としても、条例の制定に当たっては各漁港に入り、御指摘のあったような点についていろいろと御説明も申し上げてまいりました。しかし、まだ十分な御理解を得ていないということは率直に反省もしなければなりませんが、当面は漁船とプレジャーボートの適正な係留保管を目指すという今の条例の趣旨が十分に浸透されますよう、今後さらに努力をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。   (商工労働部長起塚昌明君登壇) ◎商工労働部長(起塚昌明君) 少子化対策の中で、事業主の策定した行動計画の実効性確保のための県の取り組みと、300人以下の労働者を常時雇用する事業主の行動計画の必要性及び中小零細企業に対する指導などにつきましてお尋ねがございました。関連いたしますので、あわせてお答えいたします。 高知労働局によりますと、県内には策定が義務づけられている301人以上の従業員を擁する企業は約50団体で、対象企業等に対しましては高知労働局におきまして、平成17年4月の法施行までの計画策定に向けた周知・啓発、助言などの取り組みを行っております。一方、県ではこれまで、国に先駆けて、育児のための短時間勤務制度や家族介護休暇制度を導入した事業主に対する補助制度、また母性保護のための施設整備や男性の育児休業取得などに対する補助制度を創設し、働きやすい職場環境の整備に努めてまいりました。 また、300人以下の事業所の従業員が全体の約95%を占めており、労働条件も今回策定が義務づけられている企業と比べてより厳しい状況にありますことから、高知労働局や財団法人21世紀職業財団などと連携しまして各種セミナーを開催するなど次世代育成支援対策推進法の周知を行っております。今後とも、仕事と子育てが両立できる社会の実現に向けて、高知労働局や事業主団体など関係機関と協力して、育児・介護休業法や男女雇用機会均等法の周知、また所定外労働時間の削減などに努めてまいります。 以上でございます。   (文化環境部長尾崎祐正君登壇) ◎文化環境部長(尾崎祐正君) 山内家宝物の活用計画に関しまして、高野切本などを適切に保管していくため新たに必要となる経費についてお尋ねがありました。 国宝、高野切本につきましては、今月13日に購入契約を締結し、引き渡しを受けました。この高野切本を初め県有となりました約5万点の山内家資料を、郷土の歴史と文化を伝える貴重な県民共有の財産として末永く保存、活用するために、12月補正予算では、対応が急がれます資料の収蔵機能の充実のため現在の資料館の地下収蔵庫に温湿度管理にすぐれた収蔵庫や空調機器の設置経費約3,000万円と、来年4月から文学館などで行う山内家資料の企画展の開催準備経費など約1,500万円、合わせて約4,500万円を計上しております。また、先ほど知事からの答弁にもありましたように、山内資料館につきましては恒久的な県立施設としての検討を進めますが、その構想が具体化するまでの当分の間は現在の施設を使って運営を続けることとなりますので、17年度予算はこれまでの運営経費に加えて、資料の保存のための経費や、文学館での企画展など展示に要する経費及び資料館の借り上げ料などが新たに必要となるということで、今年度予算と比べると約1,500万円ほどの増額が見込まれております。 次に、活用策と経済効果についてお尋ねがありました。山内家資料には、国宝「高野切本」を初め、一豊、千代夫人ゆかりのものが140点ほど含まれておりますので、平成18年のNHK大河ドラマ「功名が辻」の放映を機に観光資源としても大きな期待が寄せられております。話題性なども重視した効果的な展示を企画するなど、観光客の増加につながるような取り組みを進めてまいります。具体的には、土佐山内家宝物資料館での展示とあわせまして高知城の周遊コースにある文学館を活用し、平成17年は春と秋の観光シーズンに合わせ、また18年は1年を通して、国宝「高野切本」を初め一豊、千代夫人ゆかりの資料を中心とした展示を行う予定であります。 また、山内家と深いかかわりを持つ安芸市、佐川町、そして宿毛市などの関係施設とも連携をいたしまして共同の企画展を開催するなど、県内全域への広がりにも期待をしています。さらに、大河ドラマ放映にあわせまして人気の高いNHKの全国巡回展の開催も計画されておりまして、今回は平成18年1月の江戸東京博物館を皮切りに、本県を含む全国の三、四会場で開催される予定です。こういった巡回展は観光面でもインパクトが大きいことから、全国への観光土佐のPRの好機ととらえた取り組みを進める必要があります。ことし9月に設置されました大河ドラマの推進協議会からも、山内家資料は魅力ある観光資源だとの位置づけがなされ、文学館での展示などに強い要望の声が上がっておりますので、こうした企画展やNHKの全国巡回展について協議会とも一体となって県内外の旅行社などに積極的に売っていかなければならんというふうに思っております。具体的な数字は出していませんが直接経済効果につながる県外からの観光客の誘致には、こうしたことを通じて努力をしていきます。 以上でございます。 ◆5番(森田英二君) それぞれ御答弁をいただきまして、ありがとうございました。 知事にですが、平成3年のいわゆる選挙資金疑惑ですけれど、知事は説明文書を出されまして、そして記者団にも記者会見をし、県民に対しては文書で公開説明をしたと、そういうことになろうかと思います。我々は、100条委員会で1年間をかけてずっと、銀行の協力も含めて、それも衆目の場で議論を深めて結論を出したと、そういう経過をたどっております。 知事は、そのことについて、議会には本会議で断片的な質問に対してはお答えをいただいておりますけれど、あの説明文書の総括を議会に対して説明していただける機会はつくらないのか、それがまず1点。 そして、その中にある資料等について、議会からもし要請があれば出されるおつもりがあるのか、これが2点目でございます。 そして、話は変わりますが、三位一体の改革の中で、大変高知県は厳しい、地方の中でも最も厳しい、市町村を含めてそういう状況にあるとき、我々県議会議員は政権・与党の中にいます、公明党、あるいは自由民主党で5人も高知県選出の国会議員がいますので、そことはきちっと連携をしております。知事は国会議員との連携をどのように今後されるのか、そういうところもお聞きをしておきたいと思います。 それから、副知事をできるだけ早く、今議会中にというおつもりはないのか、その点もあわせてお伺いをしておきます。 そして、知事が議会の各会派に足を運んだ折にはひとつよろしくねと、こういうふうなお話でございましたが、それには我々も全く虚心坦懐に知事との関係を、ページを新しくめくってというよりもノートを買いかえてでも新しい高知県づくりを県民のためにするという腹もございますし、それは知事の腹一つではないかなと、そんなにも思うところです。それは、自分が変われば相手が変わる、自分が変われば世界が変わる。管理職に登用するとき、部下の気持ちをどう掌握するかというときに自分からまず真っ先に変わるんだと、これを私も教えられたことがあります。 知事のその気持ちの切りかえを、各会派を回られる、あるいは議員と会われるときの気持ちの持ちようを、それもひとつ確認さしていただきたいと思います。 それから、プレジャーボートの件ですが、裁判にまで持ち込む、あるいはその18件が片づいたとしましても、やはり不満感といいますか、漁協の中で名義貸しが横行している実態を漁師の方々は把握しているわけです、地元の人は。そういう実態を残したままで、条例に不備があるんですよと、そこまで言っているんですから、やはりもっと地元へも足を運び、ある程度詳細な調査だとか聞き取りなんかももっとして、今後前向きに対応されるべきではないかなと。そこら辺についても前向きな対応を、ひとつその件については要請しておきます。 まずは、この点まで。 ◎知事(橋本大二郎君) 森田議員の再質問にお答えをいたします。 まず、私の説明責任について、議会への説明をしないのかというお話がございましたが、100条委員会に私も呼ばれまして、私として御質問にお答えをしております。また、説明文書は、議会の皆様も含めてすべての県民の皆様にお示しをしたものでございます。 また、資料を議会に出すのかというお話がございましたけれども、どういう趣旨なのかがよくわかりませんので何とも申し上げようがございません。 それから、国会議員との連携というお話がございましたが、この点は既に自由民主党の議員団の皆様方ともお話をして、そういう形で一緒に取り組んでいこうということを合意しております。 また、副知事の選任について今議会中にできるかという御質問がございましたが、前副知事の辞任も急なことでございましたので、今議会中にどなたかにお会いをしてお話をしてという時間的な余裕がなかなかないので、無理ではないかということを感じております。 それから、議会との関係について重ねてございましたけれども、この点は先ほどから申し上げておりますように、私なりに十分努力をしていきたいと思います。 以上でございます。 ◆5番(森田英二君) ありがとうございました。 谷垣財務大臣と我々は、政権・与党の中でよくお会いをする機会があります。昨日、一昨日にも、我々の役員が東京に出向いて、直接総務大臣を含め、お会いしてきております。地方の実態というのは、総務省の方はよく我々の代弁をしていただきますが、財務省の方では、谷垣さんもこの間はなかなか地方の実態が腹に入っていない状況でした。私もヘリコプターの中で30分話をする機会がありまして、地方自治体の、我々の改革実績も話しましたが、それにつきましては今後とも、我々も知事の思いと全く同じでございますので、そのためにも二人三脚、あるいは虚心坦懐、新しいページをめくって高知のために一緒に働くつもりでございますので、ぜひ力を合わしてやっていきたいと思います。 以上で終わります。(拍手) ○議長(森雅宣君) 暫時休憩いたします。   午後2時58分休憩---------------------------------------   午後3時17分再開 ○副議長(池脇純一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 21番黒岩直良君。   (21番黒岩直良君登壇) ◆21番(黒岩直良君) お許しをいただきましたので、21県政会を代表いたしまして質問をさせていただきます。 まず、出直し知事選挙の橋本知事の御当選、改めましておめでとうございます。そして、本12月議会冒頭に病気のため辞任をされました吉良副知事の辞任に当たり、1年任期を残しまして辞職をされたことは大変残念でありますが、3カ年間、県政ナンバーツーの立場で、大変行財政の厳しい折、県勢発展に尽くされましたことに対しまして、感謝を申し上げさせていただきます。特に選挙期間中は、三位一体の改革の全体像の大詰めのときに知事職務代理者として高知県自治体代表者会議を設置するなどして国に対し強い姿勢で臨まれましたことは、県政最後の大きな仕事として花道を飾られたと思います。心から、ねぎらいと感謝を申し上げさせていただきます。 まず、橋本知事の政治姿勢につきましてお伺いをさせていただきます。年に2度の知事選挙が行われましたことは、まさに異例でありました。出直し選挙において、県民の審判によって5選を果たされました。再度信任を得たのであります。公約実行に大きな期待をするものであります。今回の選挙の意義は何であったのか。振り返ってみますと、県議会は辞職勧告決議議案を可決し、県民は反対でありました。今回の選挙は組織力と草の根の戦いとも言われましたが、最終盤には財務大臣、総務大臣、さらに党の代表代議士で組織に最も影響力があると言われます先生が来高するなど、最後まで激しい戦いでありました。県民への訴えとして、「国に盾突くと地方はやっていけなくなる」、反対に知事は「厳しい地方の実情を国に物申す」姿勢でありました。結果的には3万3,683票の差で県民の審判が下りましたが、民意は県下で二分された状況下であります。松尾氏は昨年9月に出馬され、年2回の信を問う戦いは立派な戦いであったと思います。結果的に、気骨ある土佐人として政界から引退を表明された決断には、深く敬意を表するものであります。県民の声はさまざまでありますが、今後は大きな観点から県勢の浮揚と県民の繁栄のために集中すべきであります。 そこで、二分されたと言われますことに対しまして、知事発言でも、批判票がどの部分を批判しているのか見きわめる必要があると言われておりますが、今後の政治姿勢の中でどう見きわめ、判断して進められるか、お伺いをいたします。 三位一体の改革は地方の財政を直撃しており、地方6団体の提案と国の全体像の大きな食い違いから全国の知事のコメントは大勢が厳しく、橋本知事も、補助金改革では地方の趣旨が反映されず大いに不満とのコメントであります。国は中央省庁や族議員に配慮優先、地方は骨抜き感があり、地方6団体、知事会は特に国と対峙していく姿勢に満ちあふれ、特に財政力の弱い県のリーダーとして知事に大きな期待をするものであります。都会の論理に屈しない姿勢は公約でもあり、私どもも、このままでは地方一揆を起こさなくてはならない気持ちであります。13年間の実績は、幅広い人脈と国に直結したパイプ、さらに今後、県政全般にわたり県選出国会議員との連携・協力、県議会との融和と協調。是々非々の中で、知事の任期3年間を、大きな変革の中で危機を乗り切っていただきたいのであります。基本的な政策については今回の選挙戦を通じましても示されておりますが、県民の声も多く聞いていると思います。例えば、高知の経済指標はどうしようもないほど落ち込んだ、民間でもできることはやっていると思うが何とか打開してほしいという声などに具体的に結果を出していくことが、信任にこたえることだと思うのであります。 総合的に県勢浮揚策を進めなければなりませんが、特に重点的に取り組まれる政策、三位一体の改革の中、国に対し強い姿勢で地方を守るといったことも含めまして、県勢浮揚の基本的な姿勢につきましてお伺いをいたします。 三位一体の改革と県予算への影響につきましてお伺いをさせていただきます。国の全体像が決定をいたしましたが、国と地方の役割分担の明確化でどのような方向になるのか、さらに、最も地方にとって重要な地方交付税についての乖離が問題であります。補助金改革案については、地方を生かす姿勢を見せつつ骨抜きの状態に、全国知事会のコメントも酷評が多い状態であります。地方案に対し、対象補助金を抱える省庁が強く反発しており、国、地方とも厳しい財政事情の中で貴重な財源を有効に使うには、現場に近い自治体に任す方がよい事業は多いはずでございます。全体像では税源移譲1兆7,700億円、交付金化6,000億円が決定をされております。 税源移譲については所得税から個人住民税への税源移譲を実施する。地方交付税については、地方の歳出を見直し、抑制する一方、地域において必要な行政課題に対しては適切な財源措置を行う。これにより、地方団体の安定的な財政運営に必要な一般財源の総額を確保する。財政力の弱い団体においては、税源移譲額が国庫補助負担金の廃止に伴い財源措置すべき額に満たない場合があることから、実態を踏まえつつ地方交付税の算定等を通じて適切に対応する等、基本方針2004を遵守するという政府方針が出ておるのでございます。こういった中で、16年度の本県の経過はどうであったか。国庫補助金削減額75億円で、税源移譲分に相当する暫定的な交付金等の額はわずか29億円、約39%であります。一方、地方交付税減額は237億円で、283億円の影響があっておるのであります。このことは、三位一体の改革ではなく、財政力の弱い地方切り捨てにほかなりません。 高知県の現実と結果は大変厳しいが、その内容につきまして総務部長にお伺いをいたします。 次に、地方提案になかった国民健康保険が削減の主要項目になり、国庫負担金総額約3兆5,000億円のうち約20%に当たる7,000億円程度を都道府県負担とする補助金削減が決定し、給付費に対して50%が国の負担という原則が変更され、調整交付金を都道府県が平成17年度は5%、18年度からは7%負担する制度が導入されました。また、低所得者層の保険料負担を軽減するための保険基盤安定制度につきましても、これまでの2分の1の国庫負担金を廃止して、都道府県の負担に上乗せすることとなったのであります。こうした新たな都道府県負担に伴う移譲額は、17年度で約5,450億円、18年度で6,850億円となっております。 本県における各市町村国保の実態と県負担の試算はどれくらいになるのか。また、全国の国保では3分の2に当たる2,000の保険者が赤字であるが、本県の実態はどうであるか。 国は、医療費抑制や運営の広域化等を進めるためにも、都道府県に国民健康保険における財政調整機能を付与したとしているが、県は今後どのような対応をしていくのか、健康福祉部長にお伺いをいたします。 次に、17年度予算の見込みにつきましてお伺いをいたします。17年度予算見積もり概要が発表され、今後詰めの作業が行われるわけでありますが、総額4,650億5,777万円、前年比169億4,888万円の減額で、マイナス3.5%の概要となっております。国の方針により、財政力が弱い団体の国庫補助負担金の削減額が税源移譲と地方交付税によって確保されることとなった場合に、16年度と同額の場合は150億円から200億円の財源不足の試算であります。 基金をどの程度まで取り崩していくのか、財政健全化債の活用、さらには起債の償還繰り延べなどが考えられる中、何で補うのか。さらに、予算見積もりをやり直すのか、この点につきましてお伺いをさせていただきます。 本年の地方交付税減額は68億6,700万円で、マイナス3.9%でありましたが、臨時財政対策債は101億4,870万円でマイナス23.6%となっている。特に臨時財政対策債の削減が大きいが、この理由は何であるのか、また、来年の見込み等につきまして総務部長にお伺いをいたします。 次に、歳出予算見積もり概要につきましてでありますけれども、行政のスリム化について平成16年から20年の5カ年間で知事部局10%、410人の削減を目標にしており、給与の抑制、諸手当、勧奨退職等で減額できる金額の見込みにつきましてお伺いをいたします。 また、公共投資、公共工事の重点化について、重点化すべき政策分野に財源を優先配分することによって事業費の抑制と将来の公債費負担の抑制につなげる方針でありますが、全体の事業量の中での公共事業の重点化比率につきましてお伺いをいたします。また、高速道路、高規格道路負担金は別枠で計上する考えなのか、お伺いをいたします。 さらに、公社など外郭団体の見直し方針が出されておりますが、最も早い時期に見直しが可能な県が管理運営する施設について、国も地方の行政改革推進で指定管理者制度の積極活用を進める方針でありますが、基本方針と現況につきましてお伺いをさせていただきます。 新たな県債の発行は、極力抑制を図ることが重要であります。現在の県債残高は、平成16年9月現在で7,837億6,700万円となっております。17年度末にはどれくらいになるのか、お伺いをさせていただきます。 次に、通常起債残高約7,830億円に加え、いわゆる隠れ債務の対応は重要な処理課題であります。競馬組合、公社、病院事業会計、土地開発公社、グリーンピア土佐横浪等は合計累計債務が227億3,900万円であり、一般会計から繰り入れしなければなりませんが、今後はさらに企業努力により負担軽減が必要であります。さらに、流通団地及び工業団地造成事業特別会計、森林整備公社、港湾整備事業特別会計、工業用水道事業会計等の累積債務は15年度末703億2,800万円であります。しかし、これらは産業振興に欠かすことのできない基盤整備が主でありまして、今後、産業振興政策を積極的に行い、物流の拡大や工業出荷額の飛躍的発展への方向づけが急がれるわけでありまして、今後の産業政策に期待するものであります。 しかしながら、現状の合計額は930億6,700万円であります。この現状から、一般会計から繰り入れしなくてはならない額、また一般会計に占めるパーセントは幾らになるのか、お伺いをさせていただきます。 特に、流通団地及び工業団地造成事業特別会計は約119億円で、有効活用の振興策に期待するものであります。また、港湾整備事業特別会計等につきましては204億円で大きいわけでありますけれども、海の表玄関として、物流対策や輸送体系の集約や合理化、産業集積との連携、都市とさらに外国との物流体系化への取り組みなど、総合的な取り組みが必要と考えるものであります。今後は、管理や支払いをどうするかも大変重要でありますが、攻めの施策展開で雇用の拡大と活気のある港湾につながるような対策を期待するものであります。 現状と見通しにつきましてお伺いをいたします。16年度の一般財源のいわゆる裁量性、一般財源2,971億円に対しまして17.5%、520億円でありましたが、今後さらに厳しい情勢下で影響が懸念されるのであります。 次に、厳しい財政事情の中で、乳幼児への医療費補助金の見直しにつきまして継続検討になっておりますが、3歳児未満の医療費無料化への具体的な取り組みにつきまして健康福祉部長にお伺いをさせていただきます。 来年度予算見積もり概要が出されまして、三位一体の改革の動向がまだまだ不透明のまま、一つ一つの事業の見直しを行い、公経済に与える影響も配慮しながら、特に事務事業の抜本的な見直しには廃止、休止、統合、縮小、継続検討、さらに重点化枠などをきめ細かく積算されていると思うのであります。これ以上の削減は、県経済に影響し、かえって攻めの施策がなくなって、マイナスにつながりかねない面も懸念をされます。今後、来年度予算の最終的な詰めに入るわけでありますが、各部局のさらなる英知を結集していただきたいと思います。費用対効果、むだを省く、県経済への配慮と将来展望、人材の育成、高齢者や弱者への配慮など山積する諸課題について抜かりのない予算編成に期待をいたすものでありますが、都会の論理がさらに地方を軽視するのであれば、まだ未知数でありますから、今後万全を期していただきたいと要望するものであります。 このような観点から、経費削減を行っても財源不足が生じることが避けられない現状の中で、将来、財政再建団体に陥らないための17年度予算編成の基本方針と重点課題につきましてお伺いをさせていただきます。さらに、将来の収支均衡予算執行への目標と考え方につきましてお伺いをさせていただきます。この点につきましては総務部長にお伺いをさせていただきます。 続きまして、高知市の中心地、西武跡地の利用につきましてお伺いをさせていただきます。9月定例会において21県政会高野議員より提言の形で質問をした経過がありますが、具体的な提言があれば連携して支援していくとの部長答弁でありました。そこで、今回、進化型図書館を考える会から進化型図書館創設のための提言が出されております。進化型図書館の機能として、日常生活からビジネス支援まで幅広く高度な情報提供機能、さらに起業化支援や経営支援まで、県民生活全般にかかわる課題を挙げておるのであります。人と情報、大学や試験研究機関、NPOなどの核となる機能等、幅広く高知進化型図書館づくりの提言がされておるのであります。立地については、多くの県民が利用しやすい高知市中心部にあることが重要で、中心市街地のにぎわいの復活支援など県政課題解決の観点から西武跡地を想定しておるのであります。また、整備手法や経営、高知市民図書館との統合も含まれております。 知識情報化社会をリードできる、力を持った県民を育てる、より進化した図書館をつくる。このような提言に対しまして、その可能性と基本的な考え方につきまして知事にお伺いをさせていただきます。 続きまして、市町村合併についてであります。先ほどの質問にもあったわけでありますけれども、合併問題につきましては各協議会が設置をされ論議をされてきましたが、最終段階で住民投票により反対、解散されるなど、厳しい状況下にあります。全国の市町村数は11月1日で3,000を割り、平成の合併が山場を迎え、来年3月で合併特例債の財政優遇措置が打ち切られ、4月からは新合併特例法が適用され、第2段階に来ていると思われるのであります。新法では、都道府県知事が市町村に対して合併協議会の設置を勧告できるなど、知事の権限が強化をされております。全国の知事のアンケートでは、勧告権を行使する可能性について、「必要があれば勧告する」、「現状では勧告する考えはない」が、ほぼ同数となっております。12月1日現在2,932市町村で、今後473が合併によって減少し、2006年1月1日には2,459市町村になる見込みであります。合併特例法の改正により、2005年3月までに知事に申請し2006年3月までに合併すれば、合併特例債の発行が認められている。 合併破綻のケースもありますが、解散後、再び構成メンバーが新たな協議会を設置するケースなどがふえていることも事実でありまして、こういった面に対します指導体制も含めましてお伺いをさせていただきます。 総務省は、2005年度早々に合併推進の基本方針を策定する見込みであります。合併が必要と判断した市町村を対象に構想を策定し、合併協議会が設置されない場合、知事は設置を勧告することができるのであります。知事勧告については回答が分かれており、市町村が自主的、主体的に判断するものとの考え方があるようであります。このような状況も踏まえて、さらに県下の実態、財政危機や人口動態などから判断しましても、合併は避けて通れない現状だと思います。 今後の高知県の合併の基本方針を出す考えはないか、知事にお伺いをさせていただきます。 次に、高知県の産業を育てるという県政重要課題につきましてお伺いをさせていただきます。産業政策推進の現状課題と対応方策についてでありますが、橋本県政13年間、旧弊改革と将来を見据えた産業育成の取り組みをされてきたと思います。昭和の時代には工科系大学創設は県民の悲願でもありましたが、高知工科大学を創設し、着々とその成果を実現化してきていると思います。そのほか、関係機関の施設整備促進を図り、研究開発実用化への産学官連携と充実強化、地域結集型などの諸事業の導入や先端的技術開発や研究など、総合的に基盤整備の充実強化を図るなどの政策推進を図ってこられました。このことによる海洋深層水の産業化などは大きな成果であり、今後もさらに、開発された成果を実用化し産業として生かしていくことが着々と生まれつつあると思うものであります。現実問題として、研究開発から産業として雇用の拡大や出荷額の拡大には時間と経費が多くかかることも事実でありますが、しかしながら、今日までシーズや芽が吹き上げてきていることも事実であると思うものであります。 このような背景で、県財政が厳しい中、県財政の再建を図っていくためには、1次、2次、3次産業の飛躍的発展が不可欠であります。今後、県勢発展の具体的な提言や説得力のある政策推進を図り、具体化していく必要があると思うのであります。例えば物づくりでは、大学連携研究センターで分野別事業化件数が平成15年2月時点で31件、特許出願件数につきましても51件など、今後に期待するものも多く、さらに世界的にも通用する開発も見られており、今後その実用化が重要課題であります。そのほか、高知大学や海洋コア総合研究センター、工業・農林漁業の技術センターなどでも積み重ねたシーズや製品があり、実用化を図っていかなければならない現実もあると思うのであります。 産業の活性化を図れば、財政の健全化に道筋が立つのであり、いかに進めるかであります。具体的に効果があらわれやすい点から見ますと、1つには、県外からの企業誘致と県内企業の活性化。これは、近年の公共事業等の減少によります建設会社の異業種参入なども含め、中小企業の事業拡大、活性化を図ることであります。2つ目には、高知の資源を生かした観光産業や林産資源、あるいは生鮮食料供給基地としての役割、海洋深層水、太陽光など、事業拡大と産業活性化を図ることが大切になってくると思うのであります。3つ目には、新たな技術開発を事業化することであります。 このような観点から、具体的に総合的に決断し、具現化するための機関が必要であると思うものであります。テーマの設定、提案作成、案件ごとに関係所轄で部門ごとに討議し、知事提案、あるいは超党会派による議会提案等も政策として実行していく。こういったことに対しまして、知事をトップに、副知事クラスの人材をまとめ役として登用し、関係部局のトップ、企業や団体の代表、議会代表などの構成により高知県産業財政再建提案委員会なるものを設置して産業政策の道筋を立て実現化を図るべきだと、高知工科大学との意見交換等の中でそうした意見が出ておるのも事実であります。 私は、今こそこの体制を整え、そして積極的に攻めの政策を行うべきであると思うのでありますが、この点につきまして知事の御所見をお伺いさせていただきます。 次に、具体的な点で、高知テクノパークにつきましてお伺いをさせていただきます。テクノパークは、先端的な共同研究施設創設を目指して、本年4月の分譲開始より企業の進出計画に合わせた契約方法や優遇措置を行い、幅広く誘致に努めているのが現状であります。その見通しにつきましてお伺いをいたします。 科学技術振興機構の研究成果活用プラザの誘致を目指してきましたが、現状はどうなっておるのか。また、企業アンケート調査を行っていたが、進出企業はあるのか、この点につきましてもお伺いをいたします。 さらに、高知工科大学内部には、学学連携、産学官連携により、必要な人材を国内外に求め、企業への働きかけ、共同研究や実用化を図るなど、世界レベルの研究プラザ創設を図る。さらには、エコスクール大学院誘致を行い中長期的視点から新材料、新技術、新デバイスの創出を図り、バイオや医療用資材、デバイス開発、環境保全産業等の物づくりプラザ構想も、産業政策についての懇談の中で私も聞いておるわけであります。目的にかなった構想でありまして、私は今後積極的な対応が肝要であると考えております。 こういった観点で、工科大学隣接の高知テクノパークにつきましての現状と今後の対応等につきまして、商工労働部長にお伺いをさせていただきます。 次に、ルネサステクノロジは今、フル操業で高い伸び率の情勢にあり、本県製造品出荷額の押し上げになることも、現状から判断いたしまして、その見通しが出てきておると思います。地域や県にとりまして第2棟目の建設誘致は悲願でもありまして、知事は選挙公約の中にも掲載をされておりまして、今までトップセールスを毎年行っている中、関係者の方からは、高知工場は利便性などの最もすぐれた、よい条件のところに工場があるなど、明るい話も直接聞いた経過もあるわけであります。 今後の見込みにつきまして、その誘致につきまして知事にお伺いをさせていただきます。 次に、メタンハイドレートにつきまして、私は2月県議会の予算委員会におきまして質問をさせていただきましたが、経済産業省の開発検討委員会の開発計画の中のフェーズⅠは2006年までであり、我が国近海の掘削、有望地域調査、基礎調査の土佐沖への誘致についてどのような行動をしてきたのか、また、どのような情勢にあるのか、お伺いをいたします。 また、このメタンハイドレートにつきましては、産業技術委員会を通じまして毎月勉強会を開催するなど、その経過等も踏まえまして、今後の方向等につきまして企画振興部長にお伺いをさせていただきます。 次に、林業振興につきましてお伺いをさせていただきます。高知県の林産品活性化ビジネスモデルは、現在、高知工科大学と高知大学が中心になりまして、森林組合や森林組合連合会などの関係機関も一緒になりまして取り組みがなされております。林業施策は、県も今日まで多額の経費を投入して川上から川下に至る事業推進を図ってこられました。今後もさらに本格的な伐期を迎える林産品を産業として事業展開を図ることは、県政上も大きな課題であります。一本一本の資源を生かすためには、すべてにわたり事業ベースで製品化を図ることが重要であります。日本の林業は戦後の植林から8ないし10齢級が拡大してきましたが、国産材は外材に圧倒されており、依然として8対2の情勢から脱却できない状況にあります。 今回の取り組みは、製品価格で外材価格に打ち勝つビジネスモデルを立ち上げようとしているのであります。川上から川下まで一貫体制の見直しを図り、あらゆる研究成果のシーズを生かして中間経費の削減、歩どまり改善とコスト削減、生産性の向上と加工コスト改善、輸送コスト削減、消費地への安定供給と品質競争力に勝てるなど、一貫の流れの中から外材価格に勝てるシステムを構築するビジネスモデルの構想であります。また、将来的に問題にもなっております分収林問題の対応にも触れておるのであります。 県としても、連携の中で、支援策も含めまして森林・林業の振興に対応すべきでありますが、今後どう対処していくのか。また、その支援策、考え方につきまして森林局長にお伺いをさせていただきます。 次に、農業問題、園芸につきましてお伺いをさせていただきます。高知県の農業は、園芸を重点に振興を図っていく方針でありますが、災害は施設園芸の場合大きな打撃となり、経営実態により廃業や、また限られた収穫期間で収量や収益に大きな格差が生じる結果となり、後年度負担が農家経営を圧迫しているケースも多いのであります。 本年は6度も台風が襲来し、被害も甚大となりました。特にハウス施設や農作物の被害状況と支援策、また、現在の復旧状況はどうであるのか、お伺いをいたします。 県下各地にはハウス園芸地帯が集積しておりますが、特に河川流域に集積していることが多く、過去の実態から、集中豪雨による被害の経験があります。そういった河川につきましては改修も進められておりますが、本年、香美郡の夜須川は何年ぶりかにはんらんをいたしました。その理由は、河床が上がっている、雑草が繁茂し過ぎている、遊水地帯がなくなり小河川からの水が逆流してはんらんしているなどであり、再び集中豪雨となれば被害を受けることになります。このように、ハウス集積河川につきましては産業集積地帯でありますので、どうしても改修が必要であります。 大変厳しい財政状況下でありますけれども、県下のハウス集積地帯の未改修河川の実態と改善策につきまして、お伺いをさせていただきます。 さらに、災害による本園芸年度の出荷、販売への影響はどうか、この点につきましてもお伺いをさせていただきます。 また、本県の園芸に関係のあるマイナー作物の農薬登録適用拡大の進捗状況につきましてもお伺いをさせていただきます。さらに、マイナー作物の登録制度に対しまして、県としては制度見直しについて国に要請しておる実態がございます。まさに時宜を得た対応であると思うわけでありまして、今後さらなる御尽力を期待するものであります。 また、県園芸戦略推進会議では、本県園芸農業の基本課題についてそれぞれのプロジェクトチームを編成して審議されてきておりますが、現状における進捗状況と今後の取り組みにつきましてお伺いをさせていただきます。 また、特に、農家の経営基盤があって生鮮食料供給基地として機能しているのでありますが、支えております営農対策の基本であります高品質、平準化への取り組みと実態をどう把握しておるのか、お伺いをさせていただきます。河川につきましては土木部長に、そのほか振興策につきましては農林水産部長にお伺いをさせていただきます。 最後に、地震対策につきましてお伺いをさせていただきます。現在の地震予知は、気象庁、防災科学技術研究所が実施する、発生後に伝わるP波、S波の時間差、数秒か数十秒後の情報を防災システムに利用するリアルタイム地震情報が提供をされておりますが、さらに地震発生を1週間から1日前に予測できたら、避難体制など生命救助に大きな役割を果たすことにつながると思います。この開発につきましては、超高感度電磁センサーによる観測監視システム技術の確立と、各種気象データや現状のリアルタイム地震情報などとのデータを密接にリンクし、分析、評価する前兆予知システムの研究開発が行われておるのであります。愛知県では本年9月、大学などが主導して、知多半島で最近発生をいたしました地震前兆の電磁波観測に成功し、今後、電磁波観測網を整備すると聞いております。 本県においては、高知大学と高知工科大学などがグループで開発研究を行っております。今後、紀伊半島沖か高知県沖の海底にセンサーの設置を計画していると聞いておるわけであります。県は国との連携や要請をしていくことが必要であると思いますが、この点につきましてお伺いをさせていただきます。 また、土佐沖あるいは和歌山沖ということになれば、徳島県、和歌山県、三重県などとも連携し前兆予知システムへの取り組みを強化すべきではないかと考えるわけでありますけれども、この点につきましてお伺いをさせていただきます。 また、本県における自主防災組織加入率が全国と比較して低い状況にあり、今後の対応強化が望まれるのであります。県内の津波災害が多大な影響を与えると予測される沿岸地域で、避難地あるいは避難施設がない地域について、今後の対応をお伺いさせていただきます。 避難施設につきましては、現在、甲浦港におきまして海岸人工地盤施設が建設中でありますが、700平米、収容人員700人、事業費は4億7,000万円を要する計画であります。厳しい財政状況の中で、このような施設について箇所をふやすことは困難きわまりないという状況にあると思います。しかしながら、自主防災組織の方々の意見は、その必要性を認めていると聞いておるのであります。このような本県の実態を踏まえ、産学連携により開発された、高架式、浮体式--フロータイプ、強制昇降式津波浸水避難所施設があります。これは、250人の収容人員で、ヘリポート兼用で高さ10メートルから20メートル、15メートル掛ける10メートルで規格品化しているものであります。また、この施設は平常時に何らかの有効活用も可能であり、価格的にも現在建設している公共工事施設よりは1人当たりの避難施設にかかる経費が半額以下になるわけでありまして、県内各地の避難施設のない危険地域の自主防災組織の意見も尊重しながら今後検討し、さらに建設につきましても検討すべきでないかと考えるものであります。 こういった点につきまして、危機管理担当理事にお伺いをさせていただきます。 以上で、私の第1問を終わります。(拍手)   (知事橋本大二郎君登壇) ◎知事(橋本大二郎君) 黒岩議員の御質問にお答えをします。 まず、知事選挙での批判票がどの部分を批判しているかをどう見きわめていくのかとのお尋ねがありました。どう見きわめるのかとの御質問に直接お答えをするのはなかなか難しいものがありますが、私は知事に就任しまして以来、隠し事のない県政に努めてきましたし、自分たちの利益のために県政をゆがめようとするような特定の個人や団体には毅然とした対応をとってきました。こうした県政改革の取り組みは多くの県民の皆様から評価をいただいていると思いますので、もしこの点に御批判があるのでしたら、私の政治姿勢としては受け入れられるものではありません。 ただ、その一方で、昨年の選挙でも感じたことでしたが、私を批判された方々だけでなく、支援をいただいた県民の皆様の中にも、現在の高知県の経済状況に対する不満やいら立ちがあると思います。ですから、産業の振興や雇用の拡大を最優先の課題として、民間の企業や県民の皆様の御意見にもしっかりと耳を傾けながら、力を合わせて取り組んでいきたいと思います。いずれにしましても、県民の皆様の目線に立つという基本を忘れなければ、おのずと私に対する御批判も含めて、さまざまな立場の方の声に耳を傾けることができると考えています。 次に、県民の皆様の信任にこたえるための基本的な姿勢についてお尋ねがありました。そのための基本的な政策や姿勢は、これまでにお示ししてきたものと特に変わりはありませんが、今回の選挙を通じまして、住民力を生かした地域の支え合いの仕組みづくりや、産業と経済の浮揚に対する県民の皆様の強い思いを改めて感じました。中でも、例に挙げてお話のあった経済指標の改善は、県政運営の目標としています、みずからの力で歩む高知を実現するためにも不可欠なテーマですので、先ほどもお答えしましたように、産業の振興と雇用の拡大を最優先の課題に位置づけて今後の予算編成に努めていきたいと思います。また、こうした政策を進めるためにも、何よりも意欲のある主体的な取り組みを積極的に支援していきたいと考えていますし、別に御質問のありました企業誘致に対しましても全力で取り組んでいきたいと思います。 一方、三位一体の改革に対しましては、地方の実情を訴えることで毅然とした対応をしてほしいといった声を、多くの県民の皆様からいただきました。ともすれば地方にしわ寄せをするような動きに対しては、税源の格差の是正や地方交付税の果たす役割の重要性などについて今後も粘り強く声を上げていきますことで、県民の皆様の暮らしを守っていきたいと思います。同時に、高知の魅力を生かしました独創性のある取り組みを今後も発信し続けることで、地方分権という大きな流れをさらに確実なものにしていきたいと考えています。 次に、進化型図書館を考える会からの提言についてお尋ねがありました。この御提言は、知識と情報が社会をリードするこれからの時代にふさわしい図書館の機能と、そうした図書館を核にしたまちづくりとを組み合わせた、ユニークな視点からの問題提起だと受けとめています。ただ、実現の可能性については、非常に厳しい財政事情の中で初期投資や運営費をどのように捻出するかなどハードルの高い課題がありますので、正直を言って即断ができません。ですから、これを機会に、さらに庁内外での議論を深めていく必要があると考えています。 次に、市町村合併に関するお尋ねにお答えをします。まず、協議会が解散した後に、再度、合併協議会を設置して取り組んでいこうとする地域に対しての県の支援についてお尋ねがありました。お話にもありましたように、県内では現在の法律の経過措置を活用して合併を目指す地域が幾つかあります。ただ、その場合には、今年度末までに県に合併の申請をいただく必要がありますので、協議の期間は一定制約されたものになってきます。また、その制約をクリアするためには、合併申請のために最低限必要になります協議項目の絞り込みや、解散前の協議内容を生かした協議の進め方など、合併協議会の運営方法や住民の皆様への説明の手法などに工夫が必要になります。このため県としましても、これまでの他の協議会の運営などを参考に、これらの点についての必要な助言や支援に努めていきたいと思います。 あわせて、協議会の事務局に県の職員を複数派遣するといった人的な支援や、まちづくり計画の作成に際して必要な県との協議の時間を短縮するための全庁的な支援体制の整備など、さまざまな取り組みを行うことによりまして、地域の皆様の思いが実現しますようできる限りのお手伝いをしていきたいと考えています。また、私自身が直接住民の皆様への説明にお伺いをして合併に対しての理解を深めていただくことにも、引き続き取り組んでいきたいと思います。 次に、新しい合併特例法のもとでの県としての取り組みについてお尋ねがありました。新しい合併特例法には、県が合併に関する構想を立ち上げました上で法定協議会の設置を求める勧告や必要なあっせんと調整を行いますなど、各地域の自主的な合併への取り組みを引き続き支援していくことが盛り込まれています。このため、県としましては、そうした新法の趣旨を踏まえまして積極的な支援を行っていきたいと思います。ただ、取り組みの具体的な進め方は、現行法のもとでの最終的な県内の合併の動向や来年度出されます国の指針を見た上で検討をしていくことになろうと思います。 続いて、県の産業や財政の立て直しを提案する委員会を設置してはどうかとのお尋ねがありました。三位一体の改革が進みます中で、今後本県が自立型の経済構造を確立していきますためには、選択と集中を基本理念としながら産業の振興に重点的に取り組んでいく必要があります。このため、お話にありましたような各界の代表の方で構成される委員会を立ち上げて、産業政策などについて具体的な提案をいただくことも大切な視点だと思います。ただ、組織が大がかりになり過ぎますと、議論が総花的になることや、状況の変化に応じたタイムリーな議論が行えないなどの懸念もあります。ですから、まずは民間の立場で動き出していただくことが現実的かと思いますが、これから来年度予算に向けた検討を進めていきます中で、お話にありました高知工科大学の御意見なども参考に、課題となっています産業の振興に全力で取り組んでいきたいと考えています。 次に、ルネサステクノロジの第2棟目の建設に関しまして、今後の見通しについてのお尋ねがありました。ルネサステクノロジの高知事業所は、その生産性や品質の面で関係者から高い評価を受けています。また、半導体ビジネスは、ことしの秋以降に多少の落ち込みが見られますが、長期的に見れば高い成長が見込まれますので、一定の設備投資も期待できます。このため、今後とも、第2棟目の工場の一日も早い着工が実現しますよう受け入れの体制に万全を期しますとともに、私自身が先頭に立って強く働きかけていきたいと思います。 私からは以上です。   (総務部長池本武広君登壇)
    ◎総務部長(池本武広君) まず、本年度の三位一体の改革による県予算への影響についての御質問にお答えします。 お話にありましたように、本県への三位一体の改革の本年度の影響はマイナス283億円になります。このうち、まず、国庫補助負担金の削減による影響額はマイナス75億円です。これは、改革の対象となった国庫補助負担金について、一般財源化やスリム化と称する単なるカットなどがなかったとした場合に見込まれた平成16年度の数字と実際の当初予算額とを比較し、積み上げたものでございます。次に、税源移譲に相当する暫定的な交付金額は、プラス29億円でございます。この内訳は、一般財源化されました国庫補助負担金の税源移譲相当分に当たる所得譲与税の本県への配分予定13億円と、義務教育費国庫負担金のうち、退職手当と児童手当分の税源移譲相当分に当たる税源移譲予定特例交付金の本県への配分予定16億円の合計額でございます。さらに、地方交付税等の減額分はマイナス237億円でございますが、この内訳は、本年7月に決定されました本年度の普通交付税と臨時財政対策債の額と、昨年度の決算額との差マイナス228億円に加えまして、特別交付税の本年度当初予算計上額と昨年度決算額の差マイナス9億円の合計となっております。 次に、平成16年度と同程度の一般財源が確保された場合における財源不足への対策についての御質問にお答えします。各部局から見積もりの提出があった段階での歳出に対しまして、地方交付税などが今年度並みに確保されたといたしましても、大まかな推計でなお財源不足はおよそ150億円から200億円と見込んでおります。さらに、この額に対しまして、今議会に提案しております給与の減額や定数削減の影響などを反映させますとともに、各部局から出されました予算の見積もりを財政課で精査することなどを通じまして、可能な限り経費を削減していくこととなります。 ただ、一般財源で見て8割以上は、制度的な見直しがない限りは削減の難しい、いわば義務的な経費ですので、最終的にもかなりの財源不足が残ると見込まれます。そのため、お話にもありましたが、今年度の予算と同様に、基金の取り崩しや行財政改革を前提としました財政健全化債の発行、さらには起債の償還期間を延長することなど、緊急的な対応をとらざるを得ないのではないかと考えております。ただ、予算の見積もりそのものは、各部局とも必要最小限にする努力をした上で取りまとめられたものですし、限られたスケジュールも考慮いたしますと、改めてそれをやり直すようなことは今のところ考えておりません。 次に、地方交付税に比べ臨時財政対策債の減少の幅が上回っている理由についての御質問にお答えします。現在の地方交付税が抱える最大の課題は、地方交付税法で定められたいわゆる法定5税分の収入が、平成16年度の地方財政計画ベースで約11兆円にすぎないことでございます。これに対して、地方交付税がカバーすべき地方の財源不足は約21兆円ですので、大幅な不足が生じています。この不足の一部を補うために、平成13年度からお話にありました臨時財政対策債の仕組みが導入され、暫定的な対応として地方が起債を借り入れて財源を調達し、その償還は将来の地方交付税で措置する前提となっています。ですから、こうした暫定措置である臨時財政対策債は本来、国が交付税として措置すべきものでございますので、早期に解消して交付税に振りかえるべきものと考えております。 来年度に関しましても、そのような中では臨時財政対策債の縮減を優先すべきものと考えておりますが、一方では、地方交付税は国の一般会計を圧迫しますので、財務省は地方交付税そのものについても大幅な縮減を主張しているとの報道があります。ただ、地方交付税の本体を削減することは、将来の地方交付税の水準そのものを恒久的に引き下げる結果につながるおそれが強いことから、国の動きを慎重に見きわめた上できちんと指摘をしていく必要があると考えています。 次に、当初予算見積もり概要に関連して、行政のスリム化などによる減額の見込みについてのお尋ねがありました。公表いたしました見積もり概要における人件費には、お話のありました定数の削減や給与の減額など行政のスリム化の影響額はまだ反映されておりませんが、定数の削減計画で申し上げますと、1人当たりの共済負担金を含めました知事部局職員の平均人件費を800万円といたしまして単純に試算すると、5年間で410人削減した場合の影響額は32億8,000万円程度となり、単年度では6億5,000万円程度となります。ただ、年度ごとの削減数などは一律ではありませんので、17年度の影響額につきましては今後の予算編成の中で詰めていくこととなります。 また、お話にありました早期退職制度などによる影響は、職員の意向などにもよりますので現在の段階では具体的に推計することができませんが、今回提案しております条例による給与の減額の影響額につきましては、単年度で学校の教職員や警察職員も含めました県全体でおよそ25億円程度と試算しております。 次に、公共投資の重点化についての御質問にお答えします。現在の危機的な財政状況のもとでは、投資的経費についても一定の規模の圧縮は避けられないことだと考えています。しかし一方で、本県の社会基盤の整備は全国的に見ておくれていることも事実ですので、産業や経済面での効果が高いと見込まれる分野を中心に重点化を図っていくことも大切な視点であると考えます。こうしたことから、投資的経費については、庁内横断的に行っております社会資本整備の事前調整作業などを通じまして、新たに着手します事業の厳格な選択と継続事業の見直しを徹底しますとともに、公共工事のコスト縮減への取り組みもあわせて進めていくこととしています。 一方、今月6日には来年度の当初予算の見積もり概要を公表いたしましたが、現在、財政課を中心にこの予算見積もりの内容を精査してさらに重点化を図っていくための作業中ですので、現時点では数字の上で公共事業の重点化がどの程度図られているのかといったことは具体的に申し上げられる段階にはございません。なお、高速道や高規格道路の関連の予算につきましては、予算編成方針の中でも特に優先して行う事業の一つとして、いわゆるシーリングで削減することを前提とした予算ではなく、必要額を要求できるルールとしております。 次に、県が管理運営している施設の見直しに関しまして、指定管理者制度の活用についての基本方針についてお尋ねがありました。県が管理運営する施設の見直しに関しましては、まずは、施設の利用状況、市町村や民間との役割分担なども勘案しまして、県の施設として引き続き県が設置し運営していく必要があるのかどうかを検討することが必要です。その上で、県の施設として継続が必要と認められる施設のうち、広く住民の方々に利用されることを目的としましたいわゆる公の施設につきましては、直営がよいのか指定管理者がよいのかを検討することにしています。民間の能力の活用などによりまして、より住民サービスの向上や経費の節減につながりますものは、指定管理者制度を導入する方向で検討を進めていきたいと考えています。中でも、現在、公共的団体等に管理を委託している施設につきましては、地方自治法の経過措置が切れます平成18年9月でこれまでの委託制度がなくなりますので、引き続き外部の団体に管理をお願いしますものは平成18年4月までに指定管理者制度に移行すべく、現在それぞれの施設の所管課室で条例改正等の準備を進めているところでございます。 次に、県債についての御質問にお答えします。本県では、平成10年度の予算編成から2次にわたります財政構造改革に取り組みます中で、県債の発行を可能な限り抑制してきました。この成果として、地方交付税の不足を補いますための臨時財政対策債の発行分を除きますと、既に県債残高は平成14年度をピークに減少に転じています。お話にありました来年度末の県債残高に関しましては、現在予算編成の作業中ですし、起債の枠組みに影響します地方財政計画などの姿もまだ明らかになっておりません。特に、三位一体の改革に伴います地方交付税の見直しに伴って、今年度の県の予算で315億円を計上しております臨時財政対策債がどうなるかといったことや、来年度以降も続くと見込まれます大幅な財源不足を補うためには行財政改革を前提とした財政健全化債といった起債にも頼らざるを得ないなど、不透明な要素が多いのが実情ですので、平成17年度末の見込みにつきましては現時点でお答えができる状況にはございません。いずれにいたしましても、今後も将来の世代に負担を先送りしない健全な財政運営を確保することを基本に、県債残高の縮減に努めてまいります。 次に、通常の起債以外で管理すべき負債等についての御質問にお答えします。いわゆる隠れ借金に関しましては、通常の起債以外で管理すべき負債等としまして、毎年度末の負債の状況や、その処理に要する一般財源の見通しを公表しているところです。このリストにあります事業や特別会計に対して支出しています一般財源は、平成16年度当初予算ベースで約29億6,000万円となっております。また、これが当初予算の一般財源の全体額約2,971億200万円に占める割合は約1%となっております。 次に、将来、財政再建団体にならないための予算編成の基本方針と、収支均衡の予算の目標と考え方についての御質問にお答えします。9月に策定しました財政危機への対応指針の中で述べていますように、従来のように予算を一定の割合でカットしていく手法だけでは200億円を超える巨額の収支不足を解消することは困難ですし、最悪の場合、財政再建団体への転落といった事態も想定されます。このため、来年度の予算編成では、財政危機への対応指針に基づいてすべての事業をゼロに戻したらどうなるかといった視点で見直した上で、県民生活の根幹を支える事業または県の発展のために不可欠な事業以外は断念または凍結するとの基本方針に立って事務事業の徹底した選別を行いますとともに、一層の経費削減に向けた見直しを行っているところです。 しかしながら、予算の大幅な削減は、県民サービスの低下はもちろん、本県において公経済が果たしている役割の大きさを考えますと、地域経済への影響を伴います。これらをできる限り抑制するとの視点にも立ちますと、200億円を超える収支の不足を経費の削減だけで単年度に解消することは、現実的には不可能と言わざるを得ません。このため、先ほども申し上げましたように、来年度の予算編成では、基金の取り崩しや、行財政改革を前提としました財政健全化債などの活用もあわせて行うことで乗り切らざるを得ないものと考えています。このような対応を特に予算が厳しいと見込まれます平成19年度当初予算編成までの3年間、集中的に行いますとともに、国などに対しまして地方交付税の確保のための取り組みをこれまで以上に徹底して続けますことで、何とか歳入を確保して収支均衡のとれた財政構造の確立を目指していきたいと考えています。 以上でございます。   (健康福祉部長吉岡芳子君登壇) ◎健康福祉部長(吉岡芳子君) 三位一体の改革と県予算への影響についてのお尋ねのうち、国民健康保険に関します一連の御質問に、少し順序が前後をいたしますが、あわせてお答えをいたします。 市町村国保の状況を見てみますと、全国的にも高齢化の進行によりまして医療費は増加をしていますが、本県も同様であり、平成14年度の1人当たり医療費は全国第4位と高くなっています。一方、加入者の高齢化と無職者世帯の増加などによりまして、医療費に見合った保険料の収入の確保が難しくなってきておりますことから、市町村の保険財政は不安定な状況になっています。平成15年度の決算を見てみますと、単年度の収支で32の保険者が赤字となっていまして、その総額は約20億円となっています。このため、財政調整基金を取り崩して対応している保険者も多く、国保の保険財政の運営は厳しさを増しております。 国保制度では、療養に要した給付費の50%を国庫負担金で賄うことになっておりまして、40%は給付費に対します定率の負担、残りの10%が財政調整交付金となっています。この交付金は、保険者間の医療費や被保険者の負担能力の格差などを調整しますために交付される仕組みになっておりまして、平成15年度におきましては10%より7ポイント多い約17%が本県に交付をされています。 次に、制度の見直しによりまして新たに増加します県負担額は、平成17年度で約44億円、18年度で約55億円と見込んでおります。ただ、こうした国保制度の見直しは、三位一体の改革におきまして地方6団体が改革案として提出したものではなく、国において対案として出されたものでございます。そもそも医療保険制度の改革に関しましては、平成20年度の抜本改革に向けて国の社会保障審議会医療保険部会で、国と都道府県と市町村の役割分担をどうするかなど今後のあり方を議論している最中でございます。こうしたことがあります傍らで、地方に協議することなく政府において一方的に決められたことは、大変遺憾に思っています。また、先ほど申し上げました負担に要します財源は、税源移譲されるとしましても将来にわたって国の責任で確保される必要があると考えています。お尋ねの、県の財政調整交付金の配分方法につきましては、今後地方の意見を尊重しながらガイドラインを作成するとされていますので、その際には地方の実情が反映されたガイドラインとなりますよう声を上げていきたいと思っております。 続きまして、平成17年度予算の見込みについてのうち、3歳未満の乳幼児医療費の無料化への具体的な取り組みについてお尋ねがありました。乳幼児の通院医療費の見直しにつきましては、県民の皆様から対象年齢を引き上げることについて強い要望が寄せられていますし、県議会でも請願が採択されましたことは重く受けとめております。見直しにつきましては、子供を安心して産み育てられる地域づくりといった意味での少子化対策の一つとして、御家庭の能力に応じて負担をしていただく仕組みの導入も含めましてこれまで検討をしてまいりました。17年度の予算の見積もりにつきましては、まだ県全体の財政収支の見通しが立たない状況にございますので、現時点では現行制度の考え方で予算を要求しております。今後、三位一体の改革の内容が少しずつ明らかになってまいりますので、財政当局とも協議をしながら制度が持続的に運営できるかどうかを一定見きわめました上で、17年度中には制度の見直し、充実ができますように精いっぱい取り組んでまいります。 以上でございます。   (商工労働部長起塚昌明君登壇) ◎商工労働部長(起塚昌明君) 黒岩議員の御質問にお答えします。 まず、流通団地及び工業団地造成事業特別会計の債務処理の見込みについてお尋ねがございました。団地の分譲に当たりましては、平成13年度から早期完売と企業立地による雇用の場の確保を最重点目標としましてリース制度を導入し、企業が進出しやすい環境を整備充実してまいりました。お尋ねの債務処理の見込みにつきましては、今後の分譲形態にもよりますが、リース制度の導入に伴い活用企業がふえてまいりましたので相当長期化するものと考えております。しかしながら、本県経済の活性化には企業立地による雇用の場を確保することが重要と考えますので、今後とも早期に完売できるよう取り組んでまいります。 次に、高知テクノパークへの一連の御質問につきまして、関連しますのであわせてお答えいたします。まず、高知テクノパークにつきましては、昨年より企業に対するアンケート調査結果に基づく訪問活動や、大学のシーズと人脈を生かした企業誘致活動を行ってまいりました。現時点で進出を決定した企業はございませんが、現在、県内外の二、三社と商談を進めております。また、誘致活動を行う中で高知工科大との共同研究に興味を示し、実際に共同研究を開始した企業も出てくるなど、工科大とのより一層の連携が重要であると考えています。今後とも、こうした高知工科大学との共同研究などを生かした誘致活動に加え、高知大学や高知高専などとも連携を深め、できる限り完売できるよう努めてまいります。 次に、科学技術振興機構の研究成果活用プラザの誘致の現状でございます。研究成果活用プラザは、地域の産学官による研究成果の実用化を図るための国の活動拠点として現在全国に8カ所設置されており、本県へのプラザの設置について昨年度から継続的に国などに対する要望活動を行ってきております。プラザの誘致が実現いたしますと、県内外の研究シーズや人材が集積した国の研究拠点が本県に設置されることとなり、地域結集型共同研究事業の研究の成果から生まれる新たな研究シーズや、海洋深層水など地域の資源を生かした研究開発の推進などが期待できます。 平成17年度の概算要求では国内に8カ所あるプラザを拠点としたサテライトの全国展開の方針が盛り込まれており、全国で8カ所分の予算要求が行われていますが、所管しております文部科学省からは、今後の予算確保の見通しについて相当厳しい状況にあるとの情報を得ております。こうした状況にはありますが、国の研究拠点が設置されますと、高知テクノパークのセールスポイントの向上など本県の産業振興にさまざまな効果をもたらすものと考えており、今後におきましても誘致の実現に向け継続的に要望活動などを展開することといたしております。 以上でございます。   (港湾空港局長加藤久晶君登壇) ◎港湾空港局長(加藤久晶君) 港湾整備事業特別会計の債務処理の見込みについてお尋ねがございました。 港湾整備事業特別会計は、港湾機能施設整備事業と臨海部土地造成事業に分かれます。まず、港湾機能施設整備事業は、港湾の荷役機械や埠頭用地などを整備し、その使用料収入によって起債の償還をするものです。今後、高知新港と宿毛湾港の防波堤の整備が進み大型岸壁の使用が促進されることにより、荷役機械や埠頭用地の利用も高まります。次に、臨海部土地造成事業は、企業への分譲のための用地造成を行うもので、分譲等によって起債の償還を行うものです。宿毛湾港と高知新港には分譲可能な用地がありますので、企業の誘致に引き続き積極的に取り組み、起債の償還に努めます。 以上でございます。   (企画振興部長十河清君登壇) ◎企画振興部長(十河清君) メタンハイドレートの開発計画に関する御質問にお答えいたします。 メタンハイドレートの開発には、その基礎的な特性が未解明であることや採取方法が未確立であること、地球環境への影響を慎重に検討する必要があることなどの多くの課題があり、国の開発計画でも中長期的に取り組むものとされています。現在の状況は、御質問にもありましたように、全体3期のうち1期目の初期段階にありまして、その一環として今年1月から5月にかけて、今後の研究に必要なデータやサンプルの収集のため熊野灘から東海沖の海域で掘削調査が実施されました。第1期での掘削調査は今回のみと伺っておりますが、こうした国の開発計画は、土佐湾沖に賦存海域が広がっているという点で本県にとっては大変夢のあるものと考えています。そのため、本年3月から県科学・技術アカデミーが実施しています海洋コアに関する勉強会の中でもメタンハイドレートをテーマの一つとして取り上げ、実際に開発計画に携わる機関の研究者を講師に、研究の状況や課題などについて大学や企業の皆様とともに、それぞれの立場から理解を深めてまいりました。また、国等の関係機関に対しましては、掘削調査における高知新港の利活用や県内での期待の高まりなどをアピールしてまいりました。 こうした取り組みを通じましても、メタンハイドレートの資源開発に向けては、まだまだ大変多くの研究を積み重ねていかなくてはならないものと改めて受けとめております。また、国の開発計画の進め方は、一定期間の調査とその評価、検証をもとに次の段階に進むという手法ですので、これからの本県における取り組みを考えていく上でも、今後まとめられます1期目の調査の中間評価など、国の開発計画の動向について関係部局が連携して引き続き情報収集に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。   (森林局長村手聡君登壇) ◎森林局長(村手聡君) 高知県林産品活性化ビジネスモデルの構想についての御質問にお答えいたします。 林業・木材産業の現状を見てみますと、生産・加工段階での歩どまりの悪さや流通コストの大きさといった点が事業運営上の大きな課題となっています。お話の高知県林産品活性化ビジネスモデルは、こうした課題を抜本的に解決するため、流通、生産の工程を産学官が連携した研究によって改めて検証、見直した上で、理想的な工程を一つの事業体によって一括して整備、管理するビジネスモデルを構築することを目指すものと伺っています。高知県では生産、流通の各段階に零細な事業者が多いことから、個々の事業者が独自に新たなリスクを負って設備投資に取り組んだり、みずからの業務領域を超えた視点で効率化を図ったりすることが難しい状況にあります。 そのため、県といたしましては、現在、川上から川下までの関係事業者が共同してコスト低減や競争力向上に取り組む体制づくりを積極的に進めていますけれども、今回のお話を進めることは県が現在行っていこうとしておりますこの体制づくりにも効果があるものと考えられますし、モデルに基づきました起業化が実現すれば、成熟しつつある県下の森林を有効な資源として活用する方策の一つにもなると考えています。先般、この構想の検討委員会が立ち上がったところでございますが、こうした観点に立って、森林局からも検討メンバーに職員を参加させ、関係業界の実情や課題などを基礎としながら、現在の厳しい環境を克服するための研究を一緒になって進めていきたいと考えています。 以上です。   (農林水産部長星沢昭雄君登壇) ◎農林水産部長(星沢昭雄君) 園芸農業振興につきましての一連の御質問にお答えをいたします。 まず、台風被害の状況と支援策、また現在の復旧状況についてお尋ねがございました。本県に大きな影響のありました5つの台風につきましての園芸農業に関する被害額は、合計で約42億円余でございました。そのうち、野菜の被害額は約20億円余り、ハウス施設の被害額は約12億円余りに上りました。特に、10月に襲来をいたしました台風23号により、植えつけの終わったキュウリ、ナス、ピーマンなどの施設野菜が浸水の被害を受けまして、一部には残念ながら全滅のため植えかえを余儀なくされる圃場も発生をいたしました。支援策についてでございますが、被災者の復旧資金の借入金利負担を軽減して貸し付けを行うことができますよう、さきの9月議会の御審議を経まして農林業災害対策資金の利子補給率を倍に引き上げる措置を行いました。また、この資金とあわせまして、既存のレンタルハウス整備事業による災害復旧支援策の活用につきまして周知を図ってまいりました。 また、復旧への取り組みについてですが、園芸連の取りまとめた植えかえ用の苗の注文状況によりますと、キュウリ、ピーマン、ナスなど全体で6万3,000本、面積換算で6.3ヘクタール相当となっております。1月植え直し予定のナスを除きまして、ほとんどが植え直しを完了している状況にございます。被害を受けたことで栽培を断念いたしました高齢農家が一部見られますが、施設の復旧も終え、災害農家の方々は現在、農業振興センターの協力のもと、おくれを取り戻すべく栽培管理に全力で取り組んでおられます。 次に、災害による本園芸年度の出荷・販売への影響についてお尋ねがございました。平成17園芸年度の販売実績を見ますと、9月から10月末までの2カ月間の出荷数量は、たび重なる台風の影響で前年比75%と大きく下回っていますが、直近の11月の出荷数量は前年比87%と回復傾向にございます。一方、販売額を見ますと、全国的な災害の影響による高値基調によりまして、9月から11月末までの3カ月間の実績は、出荷数量のマイナスと反対の前年比108%となっております。今後の出荷量は植えかえなどの生産対応によりまして徐々に回復してくるものと考えますが、植え直しによる作期のおくれから、園芸年度全体で見ますと生産量の一定の減少は避けられないと思われます。一方、価格面は、他産地の出荷状況、輸入の動向などの影響を受けることになり、現時点で本園芸年度の販売総額について予測することは困難だと考えています。 次に、マイナー作物の農薬登録適用拡大の進捗状況と今後の見通しについてお尋ねがございました。本県は、27作物に関します148の農薬について、農薬使用基準の経過措置承認を受けております。このうち、他県やメーカーでデータ作成を行っているものが29剤。また、代替剤で対応可能なもの、または代替剤の登録拡大がなされるものが33剤。メーカー及び他県の協力を得られないもの及び今後作付予定がなく登録の必要性がなくなったものが合わせまして7剤となっています。したがいまして、これらの合計69剤以外の79剤について本県でデータ作成を行っております。この79剤のうち71剤につきましては、農薬の作物残留試験や薬剤の効果試験を計画的に進めておりまして、年度内の適用拡大申請がなされる見込みです。 こうした年度内の適用拡大申請に至らないものとして、ミシマサイコ、オクラ等に関します8剤が見込まれております。これは、台風などの気象要因によりまして病害虫の発生がなかったことから、薬剤の効果試験について17年度に再試験を行わざるを得ないためです。このことにつきまして、先ごろの農林水産省からの通知では、経過措置は17年3月末で終了することとされていますが、例外措置として、気象要因などにより登録に必要なデータ作成ができなかったものなどについては経過措置の延長が認められています。以上の状況から、本県が取り組んでおります79の農薬につきましては、すべて経過措置の延長期間内に登録が可能だと考えております。 次に、県園芸戦略推進会議におけます現在の進捗状況と今後の取り組みについてお尋ねがございました。県域の園芸戦略推進会議におきましては、系統共販、共同計算、輸送、安全・安心、資材コスト、営農対策という6つの課題につきまして、この8月及び12月に現時点での対応策を取りまとめ、現在、各JAを初めそれぞれの実施主体において具体的な取り組みを進めています。例えば、系統共販の取り組みでは、本県の園芸産地としての力を分散し弱体化につながります組合員の農協離れに対応いたしますため、1つには、系統共販の意義や戦略性について理解を得るためパンフレットを作成し、組合員全員に配付すること。また、2つ目には、系統共販システムの再構築に向けまして、生産部会や女性代表者会議など生産者の参加する各種会議において議論を深め理解を得ることなどの対応策を取りまとめ、各JAなどにおきまして取り組みを進めております。特に、JA土佐あきでは、こうした取り組みに加えまして、地域の組合員に対し農協、園芸連などが連携をいたしまして戸別訪問を実施し、農協の役職員が生産者と直接向き合う機会を設ける取り組みを主体的に行っております。こうしたJA土佐あきの先駆的な取り組みにつきましては、農協離れが大きな課題となっております他の農協におきましても実施に向け準備を進めている状況でございます。 また、輸送プロジェクトにつきましては、輸送コストの低減を図ることを目的に、この手法等について検討してまいりました。その結果を踏まえ、園芸連におきまして競争性を確保した輸送業者の選定を行い、平成17園芸年度の輸送コストは、平成16園芸年度の輸送実績をもとにした推計値でございますが約2億3,800万円の低減が図られることとなりました。今後は、園芸戦略推進会議で取り決めましたそれぞれの課題への対応策につきまして、農業団体の主体的な取り組みを促しますとともに、対応策の効果につきましても農業団体とともに検証しながら課題の解決に努めてまいります。 最後に、高品質生産や平準化についてお尋ねがございました。園芸作物は、天候の影響だけではなく、御案内のとおり温度や水の管理、枝の誘引や摘葉など、農業者の栽培技術の差が収量、品質に大きくあらわれます。産地の実態を見てみますと、ピーマンやナスなどでは収量や品質に2倍から3倍の格差が見られます。このため県では、平成13年度から各農業振興センターに基幹品目の専門改良普及員を配置し指導の充実を図りますとともに、篤農家の施設や技術を活用して新しい品種や栽培技術の実証を行いながら、その成果を迅速に普及させることにより、産地全体の品質向上や生産の安定化に取り組んでまいりました。また、現在、経営指導に幅広く活用できる資料といたしまして、ナスやピーマンなどの主要品目について経営指標の作成に取り組んでおります。この中で、10アール当たりの収量や所得の目標値を示すことにしております。今後は、こうした目標を掲げまして、農家の目指す所得の実現に向け、現在JAが強化を目指している営農指導体制とも連携をして取り組んでまいります。 以上でございます。   (土木部長見波潔君登壇) ◎土木部長(見波潔君) ハウス集積地帯の未改修河川に関するお尋ねがありました。 ハウス集積地帯といった区分で未改修河川の実態を調査したものはありませんが、河川事業は人家の連檐する区域を抱える箇所や重要プロジェクト事業に関連する箇所を優先して実施しております。厳しい財政状況のもとでは多くの河川を直ちに改修することは困難ですが、堆積土砂の除去なども流下能力の向上に有効ですので、こうした方法での対応も可能な限り取り入れるなど、今後もさらに適切な河川管理に努めてまいります。 以上でございます。   (危機管理担当理事宮崎利博君登壇) ◎危機管理担当理事(宮崎利博君) 地震対策についてお尋ねがありました。 まず、直前予知システムのお尋ねについてお答えします。南海地震に関しましては、発生のメカニズムが解明できておらず、現時点での予知は困難と聞いています。お話にありました超高感度電磁センサーによる観測を初め、さまざまな手法で地震予知の研究が進められています。しかしながら、電磁波の観測による予知につきましては学術的な研究にとどまっており、国の制度による研究には至っていないと承知しています。そうした中で、本県としましては国に対して、南海地震対策を国家的プロジェクトとして位置づけ、緊急地震速報システムの精度の向上など調査や研究の充実を図るよう要望活動を行っています。今後、同じような被害が想定されている3県にも呼びかけ、連携した取り組みを行っていきます。 次に、自主防災組織と避難施設についてお尋ねがありました。県内沿岸部では津波による被害が予想され、現在、自主防災組織の結成が大きな課題となっています。このため、今後、沿岸25市町村で組織します津波防災検討会での検討や年次ごとの組織率の目標値を市町村ごとに設定するなど、平成19年度末までに自主防災組織の組織率が100%となるよう市町村とともに取り組んでいきます。津波からの避難につきましては、地震を感じたら高台などの安全な場所に避難する、あるいは、高台への避難が困難な場合には耐震性のあるビルに避難することとされています。この津波避難ビルの指定につきましては、現在、国においてガイドラインの策定が進められていますので、そうした国の考え方も踏まえて適切な津波避難対策を検討していきます。一方で、そういった場所や施設が不足する地域もありますので、そうした地域への対応については地元市町村とともに検討を進めていかなければならないと考えています。 以上でございます。 ◆21番(黒岩直良君) 適切な御答弁をありがとうございました。 それでは、知事に3点だけ再度御質問をさしていただきます。一つは合併問題でございます。県の支援策等につきまして十分御答弁をいただいたわけでありますが、県の中で合併そのものが、協議会が設立をされてもいろんな条件で解散等となっている中で、それぞれに地域の実態があるわけでありますけれども、今後の基本的な方向、こういった枠組み等を含めての基本的な計画を出されるお考えはないのか、この点をひとつお伺いさせていただいておきます。 次に、産業振興について、現在でも科学・技術アカデミー等の新しい組織を立ち上げて、いろんな観点から対応をしておる実態があるわけでありますけれども、実際に県の財政等に及ぼす影響も含めた産業政策を取りまとめ、そしていろんな事業展開の中でこれを具現化していくための組織を想定した委員会ということで御提案をさしていただいたわけであります。前向きの御答弁をいただいておるわけでありますが、県政の最重要課題である産業政策を進めていく中で、こういった組織を立ち上げて実行していく、実践をしていくという方向づけで、さらに御理解をいただきたいと思います。 徳島県の例をとりましても、これはもう非常に昔の段階で3000日構想というのを打ち立てて、あらゆる観点から産業育成というものに、これは本四架橋建設前からそういった構想に基づいて取り組んできた。例えば、その当時でありますと三次元コンピューターなんかは非常に多額で手が出ないような状況でも、県がそういった施設を整備して、貸し付けして、この企業育成等に取り組んできた経過、そういったものが十数年後に結果として出ておるというふうに思うわけであります。現実に、本年度の県税見込みが徳島県は7%台というような状況になっておるわけでありまして、こういったのも含めて、高知県の将来に向けてのこういったきちっと整理のできる組織を持って対応をしていただきたいわけでございます。 それともう一つ、西武跡地の関連につきまして、大変厳しく、ハードルが高いということでありましたけれども、それぞれ御提言等がこういった流れの中で出てきておるわけであります。知事として、このことに対して、どこでどう整理をして、この跡地の利活用等を進めていくのか。こういった提言というものがさらに出てくる可能性もあろうかと思いますけれども、県政、高知市の中心地でありますので、この点で知事に、こういう方向に対する再度の御意見を賜りたいと思います。 それと、総務部長に予算関係についてお伺いをさしていただきます。隠れ債務の処理につきまして、先ほど、一般財源全体の1%ということでありましたけれども、特に裁量経費、16年度でありますと約520億円でありますけれども、そこに占めるパーセントになりますと高くなってくるわけでありまして、今後さらに、経常的経費の拡大の中で裁量的な問題が関連をしてきて、それが影響してくるということも懸念をされるわけであります。あくまでも、この事業等の隠れ債務につきましては一般財源等で処理を今からもしていくつもりなのか、または、これはそれぞれの能力もあろうかと思いますけれども、一般財源でなくして、それぞれの事業の中で借りかえ等も含めて当面は対応していくのか、この点をひとつお伺いをさせていただきます。 それともう一点。均衡予算の関係につきまして、19年度まで集中的に対応して目指していくというお話でありました。実際、地方交付税の流れがどうなるかということが課題でありますけれども、あくまでも収支均衡は19年度あるいは20年度を目指すといった対応の中で予算執行を進めていくのか、予算の組み立てをしていくのか、この点につきまして再度お伺いをさせていただきます。 以上で、一切を終わらしていただきます。 ◎知事(橋本大二郎君) 黒岩議員の再質問にお答えをいたします。 まず、市町村合併に関しまして、基本計画を策定する意向があるかどうかとの重ねての御質問でございます。このことに関しましては、先ほども御答弁をしましたように、具体的な内容につきましては、来年度国の指針がまとまると、それを見る必要もございますし、また現行法のもとでの合併の形がどのような形になるか、その最終的な形も見ていかなければいけないと思います。何らかの形で計画というものを、黒岩議員の言われた基本計画という位置づけになるかどうかは別にいたしまして、計画というものを考えていきますときには、当然、一定の枠組みを念頭に入れたものになっていくであろうというふうに思います。 次に、産業や財政の再生を提案する委員会について、重ねての御要請をも兼ねた御質問がございました。このようなグループや委員会をつくってはどうかというような御提案は、何人かの民間の方々からいただいております。私も決してそれを否定するものではございませんけれども、県が音頭をとって頭の重たい委員会をつくっても十分機能しないのではないかという趣旨のことを申し上げました。ですから、まずは民間の方々の中で、これは議会の方々もお入りをいただく形がよいかと思いますけれども、そういうようなグループが幾つか立ち上がって、いろんな意見や御提案をいただきながら、それを具体化していくというような流れにならないかということを、私は今の段階では感じております。 次に、西武跡地の利活用について、どこでどうまとめていくのかという御質問がございました。いろんな計画なり思いなりが錯綜しておりますので、どこでどうまとめていくかという御質問は、私は的を射た御質問であろうと思います。ただ、現状を言いますと、この土地なり建物なりが県有、市有というような形であれば、どこかがまとめて、いろんな御提案を検討していくということになろうと思いますけれども、実際には地権者も何人かおられ、また西武さんとしても、その後の後処理を民間の中で取り組まれているという実情がございます。つまり、県なり市なり行政がそれを取り仕切って、動かしていけるという状況にございませんので、その関係が非常に悩ましい点でございます。ただ、言われる御趣旨はわかりますので、どこかが司令塔になって、そうしたいろんな情報をまとめて動かしていくということは、今後、十分検討さしていただきたいと思います。 私からは以上でございます。 ◎総務部長(池本武広君) まず、隠れ借金でございますけれども、先ほど申し上げました一般財源の支出額といいますのは、既に処理の枠組みができて計画的に支出をしていっているもの及び一般財源をある意味では引き当てまして貸付金を支出しているものだけでございます。したがいまして、御心配をいただきましたように、潜在的には将来負担する可能性があるものといいますと、はるかに大きい規模のものがございまして、将来的に県の会計を圧迫する危険性もあるわけでございます。したがいまして、今後とも予算編成段階でそれぞれの事業なりそういったものの経営状況をきちんとチェックしまして、これを十分注視しながら、場合によっては思い切った改革を行い、場合によっては処理を行っていく、そういった検討をしていくことも必要ではないかと考えております。 それから、収支均衡の予算で、19年度までの対応ということでございますけれども、来年度の収支不足の規模248億円、あるいはその後に想定されております300億円規模の収支不足というのは、県の体力、それから過去からの措置なども考慮いたしますと極めて大きい収支不足でございます。先ほどもお答えいたしましたように、県民サービスの低下をできるだけ招かない、また地域経済への影響なども勘案しますと、単年度でこれをすべて解消し切るということはなかなか困難な状況にございます。しかしながら、一方で基金に頼り、あるいは健全化債といった将来へ負担を先送りする、そういった措置に頼りまして予算編成を続けていくことは、これは適当ではございませんので、これを可能な限り一定の期間内に収支均衡の予算編成に近づけるという意味で、一応3年という目標を設定し、この期間に集中的な取り組みを行いまして、19年度の段階でできる限り収支均衡に近い予算に近づけていくと。そのために、あらゆる努力をしていきたいということを指針で掲げたわけでございます。 以上でございます。 ○副議長(池脇純一君) 以上をもって、本日の議事日程は終了いたしました。 明16日の議事日程は、議案に対する質疑並びに一般質問であります。開議時刻は午前10時、本日はこれにて散会いたします。   午後5時6分散会...